
カルシIPO観測浮上 売上20億ドル突破も「スポーツ賭博疑惑」で全米包囲網
予測市場プラットフォームのカルシが、年間換算売上高20億ドル(約3226億円)を突破したことを受け、上場を視野に入れ始めたという。だが、その稼ぎ頭であるスポーツ契約には、法的な包囲網がじわじわと狭まりつつある。

予測市場プラットフォームのカルシが、投資銀行との間で新規株式公開(IPO)に向けた初期の非公式協議に入っているという。もっとも、その足元では、同社の成長を支えてきたスポーツ賭博関連の契約をめぐり、米国各州の規制当局からの視線が日に日に厳しさを増している。
ジ・インフォメーションが金曜日に報じたところによれば、事情に詳しい匿名の関係者は、カルシが年間換算売上高で20億ドル(約3226億円)を突破したことを受け、IPOによる上場に向けた初期段階の協議を進めていると明かした。
カルシの広報担当者は、この件についてコメントを控えた。
今回のIPO協議報道は、カルシにとって追い風と逆風が同時に吹く中で出てきたものだ。というのも、同社の週間想定取引高の半分超を占めているのが、まさに法的な火種となっているスポーツ賭博関連の契約だからである。
デューンのデータによれば、カルシで最も大きなカテゴリーはスポーツ賭博関連の契約で、週間想定取引高の約53%を占めている。競合のポリマーケットでも同様に、スポーツ関連の賭けが最大カテゴリーとなっており、週間取引高の約69%を占めていた。
カルシは5月7日、コーチュー・マネジメントが主導したシリーズFラウンドで10億ドル(約1613億円)を調達した。これにより同社の評価額は倍増し、220億ドル(約3兆5487億円)に達したと、コインテレグラフは報じている。

Kalshi weekly notional volume by category. Source: Dune
米規制当局、スポーツ関連の予測市場契約に包囲網
米国では、スポーツ関連の予測市場契約に対する規制当局の取り締まりが強まっている。
コインテレグラフが木曜日に報じたところによれば、ケンタッキー州は、カルシとポリマーケットを含む5つの予測市場を相手取り訴訟を起こした。同州は、これらの事業者が「無許可かつ違法なスポーツ賭博・ギャンブルプラットフォームを運営している」と主張している。
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少なくとも他の17州も、予測市場運営会社を相手に法廷闘争を仕掛けており、この問題には米商品先物取引委員会(CFTC)も関与する事態となっている。
州当局側の言い分はこうだ。スポーツイベントを対象にした契約は、州レベルのライセンスが必要な賭博商品である。一方、予測市場側は、こうしたイベント契約は連邦商品法のもとで規制されるスワップであり、州の賭博規制とは別物だと反論している。
CFTCもまた、イベント契約について、二択の結果に基づく商品であることから「スワップ」に該当するとの立場を示している。5月14日には、イベント契約の報告規則を緩和する目的で、CFTCがノーアクション・レターを発出した。

CFTC no-action letter on prediction markets. Source: CFTC.gov
さらにCFTCは、予測市場に対する自らの監督権限を固めるべく、少なくとも5州を相手取って訴訟を起こしている。対象となっているのは、ウィスコンシン州、ニューヨーク州、アリゾナ州、コネチカット州、イリノイ州だ。
急成長する予測市場。その中核にあるスポーツ契約は、ユーザーと売上を呼び込む「稼ぎ頭」である一方、規制当局にとっては看過できない火種でもある。カルシがウォール街の表舞台へ向かうには、この法的な霧をどう晴らすかが最大の焦点となりそうだ。

