
米上院、暗号資産「CLARITY法」で異例の共闘 共和・民主両議員がホワイトハウスに倫理ルール修正案
敵と味方が手を組んだ——。共和党のティリス議員と民主党のガレゴ議員が、トランプ政権に暗号資産法案の"倫理規定"修正を要求。狙いはズバリ、大統領による業界支配の封じ込めだ。60票の壁を前に、水面下でうごめく駆け引きの全内容を追った。

米議会で審議が進む暗号資産の市場構造法案をめぐり、党派の"垣根"を越えた奇妙な連携が動き出した——。
政治専門メディア「パンチボウル・ニュース」が木曜に報じたところによると、共和党のトム・ティリス上院議員と、民主党のルーベン・ガレゴ上院議員が、そろってトランプ政権に「倫理規定」の修正案を突きつけたというのだ。両議員が提出したのは、「デジタル資産市場明確化法(通称・CLARITY法)」に盛り込まれた倫理条項に手を入れる、いわば"対案"である。
関係者によれば、この修正案、多くの議員が初期案に抱いていた不満に応えるものだという。ミソは「取り締まりの担い手」を差し替えた点にある。連邦政府高官が自らトークンを発行・後援することを禁じるルールについて、これまで米司法長官が握っていた執行権限を、州当局にも委ねる——そう書き換えたというのだ。
民主党のガレゴ議員は、かねてより倫理、消費者保護、不正金融、利益相反、そして市場の健全性に関する規定は「強化されなければならない」と主張してきた人物。共和党側と手を携え、この法案を「ゴールまで運ぶ」と息巻いてきた。コインテレグラフはガレゴ、ティリス両陣営に修正内容の詳細を問い合わせたが、いずれからもすぐには回答が得られなかった。
では、なぜ今、この"大改造"なのか。実は、法案成立のカギを握るのが上院民主党の動向なのである。民主党議員の多くはこれまで、「トランプ大統領が今後さらに強い規制権限を握ることになる業界で、彼の支配を守るような内容ならば」CLARITY法には賛成票を投じない、と公言してきた。修正案は、この造反ムードを鎮めるための"譲歩カード"というわけだ。
上院の勢力図を見れば、事情は一目瞭然だ。共和党は現在、健康上の理由で欠席中のミッチ・マコネル議員を除いても52対47と多数を握る。だが、法案可決に必要なのは60票——。この"高いハードル"を越えるには、どうしても民主党の協力が欠かせない。トランプ流の暗号資産政策に、はたして党派を超えた"連立"は成立するのか。水面下の攻防は、まだ始まったばかりである。

