
CLARITY法案、成立へ一歩前進か 米保安官団体が反対撤回
メジャー・カウンティ・シェリフス・オブ・アメリカは、CLARITY法案への反対こそ取り下げたものの、違法金融事件を追う地方の法執行機関に十分な武器を持たせるべく、なお法案修正を求めている。

米国の主要郡保安官協会、メジャー・カウンティ・シェリフス・オブ・アメリカ(MCSA)が、CLARITY法案への反対姿勢を取り下げたと報じられた。当初、同団体は、この法案が違法金融捜査にどのような影響を及ぼすのかについて懸念を示していた。
MCSAは金曜日、米上院銀行委員会のティム・スコット委員長とエリザベス・ウォーレン上院議員に宛てた書簡の中で、CLARITY法案に対する立場を「中立」に変更したと明らかにした。5月14日付の書簡で問題視していた同法案の第604条について、一部の懸念が解消されたためだという。
第604条は、ブロックチェーン規制確実性法に関する条項である。この条項は、分散型プラットフォーム上でユーザーが違法行為を行った場合でも、開発者がその責任を問われないよう保護することを目的としている。
MCSAはこれまで、第604条が犯罪者に悪用される抜け穴を生み、暗号資産関連犯罪の捜査を困難にするおそれがあると主張していた。

CLARITY法案は超党派の支持を得ているものの、上院での審議は大きく停滞してきた。その一因となっているのが、銀行業界による働きかけである。銀行側は、ステーブルコインの利回り付与を制限するよう求めている。彼らの言い分はこうだ。利回り付きステーブルコインは、規制されていない預金商品のように機能し、伝統的な銀行システムから数兆ドル規模、すなわち数百兆円規模の資金流出を招きかねない――。
同法案は5月、上院銀行委員会をほぼ党派色の強い形で通過して以降、上院本会議での採決を待つ状態が続いている。
法案を支持する上院議員らは、今月中の本会議採決を目指している。狙いは、11月の米中間選挙を前に、法案を可決し、大統領の署名を経て成立させることにある。
CLARITY法案「最大の障害」のひとつが消えた
暗号資産投資家のマーク・チャドウィック氏は、MCSAによる当初の反対を、CLARITY法案の上院通過を阻む「最大の障害」のひとつと表現していた。
チャドウィック氏はこう述べている。
「その障害が取り除かれたことで、成立への道筋はかなり見通しやすくなった。大きなハードルが、またひとつ消えた」
それでもMCSAは修正を求める
ただし、MCSAが全面的に満足しているわけではない。同団体は、CLARITY法案の第309条に州の法執行機関を含めるよう、修正を求めている。
第309条は、米財務省に対し、分散型金融、いわゆるDeFiと違法金融リスクについて調査を行うよう求める条項である。
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MCSA会長のボブ・グアルティエリ氏は、詐欺、麻薬密売、ランサムウェア、児童搾取、テロ資金供与など、ますます巧妙化するデジタル資産絡みの犯罪を捜査するためには、議会が必要な訓練、技術、資源を提供すべきだと訴えた。
グアルティエリ氏はこう強調している。
「州および地方の法執行機関は、こうした犯罪を日々捜査している。犯罪者を特定し、不正資金の流れを追跡し、資産を回収し、被害者を守るために必要なツール、連携体制、そして資源を持たなければならない」
CLARITY法案にとって、今回のMCSAの方針転換は小さくない。暗号資産業界が待ち望む規制の明確化に向け、上院での通過にまた一歩近づいた格好だ。しかし、法執行機関が求める「犯罪捜査への備え」と、業界が求める「開発者保護」の綱引きは、なお続くことになる。

