
米暗号資産規制「CLARITY法案」に時間切れリスク 上院は7月通過を狙うも休会目前
米上院は7月13日まで地元活動期間に入った。暗号資産市場のルールづくりを担う法案に残された猶予は、次の休会までのわずか4週間。しかもその先には、選挙戦という名の“政治の季節”が待ち受けている。

暗号資産規制の包括的な指針を定めることを狙う「デジタル資産市場明確化法」、いわゆるCLARITY法案。その行方が、なおも霧の中にある。米議会は数週間後、再び地元活動期間に入る予定で、審議に残された時間は多くない。
CLARITY法案は2025年7月、米下院を通過した。しかしその後、議会での前進にはいくつもの障害が立ちはだかってきた。ステーブルコインの報酬をめぐる業界側の反発、さらに議員らの倫理面への懸念である。同法案は1月に上院農業委員会、5月には上院銀行委員会を通過したが、いずれも党派色の濃い採決となった。これにより、本会議での審議に向けた土台は整った格好だ。
ところが、ここにきてドナルド・トランプ米大統領の動きが影を落としている。
トランプ氏は水曜日、上下両院で超党派の支持を得ていた住宅関連法案「21世紀ROAD住宅法」の署名式を取りやめた。同法案には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の禁止条項も含まれていた。
トランプ氏は、共和党議員がSAVEアメリカ法を可決するまで、この住宅法案には署名しないと表明している。SAVEアメリカ法は、有権者登録の際に米国市民権の証明を本人が対面で提示することを求めるものだ。トランプ氏は3月にも、この法案が通るまでは「ほかの法案には署名しない」と述べていた。
この大統領の一手により、CLARITY法案の先行きにも疑念が生じている。トランプ氏は以前、同法案を支持する姿勢を示していたが、仮に拒否権を発動すれば、議会がそれを覆すには上下両院でそれぞれ3分の2以上の賛成が必要となる。一方、米国憲法上、大統領が議会開会中に法案へ署名も拒否権発動もせず10日が経過した場合、その法案は自動的に法律として成立する。
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月曜日、上院の共和党指導部は、CLARITY法案を7月中に通過させる方針を示した。上院銀行委員会のティム・スコット委員長、ジョン・スーン上院多数党院内総務らがその先頭に立つ。
議員らは7月13日までワシントンD.C.を離れ、地元活動期間に入る予定だ。その後、8月には1カ月にわたる地元活動期間が控えている。つまり、法案を処理するために残された時間は、実質4週間にすぎない。

Source: Senator Tim Scott
法案推進派の一人であるシンシア・ルミス上院議員は先週、フォックス・ビジネスのインタビューでこう語った。
「CLARITY法案については、昨年のレイバー・デー以来、本気で交渉を続けてきました。非常に骨の折れるプロセスでした」
さらに、こう続けた。
「まだDeFiについて少し詰めています。違法金融対策もそうです。倫理面についても、少し作業が残っています。ただ、ようやく7月4日前後に法案文を公表し、関係者に最後の徹底的な確認をしてもらう段階まで来ました。そのうえで、7月に動かします」
CLARITY法案、さらに遅れればどうなるのか
共和党は上院で僅差の多数派にすぎない。来月CLARITY法案の採決に踏み切る場合、民主党議員の一部から支持を取り付ける必要がある。
だが、多くの民主党議員は同法案に倫理規定を盛り込むよう求めている。背景にあるのは、トランプ一家と暗号資産業界との関係だ。トランプ大統領自身のミームコイン、息子たちが関与するワールド・リバティ・ファイナンシャル、さらにはビットコインマイニング企業とのつながりが、問題視されている。
仮に共和党が8月までに上院で60票の壁を突破できなければ、CLARITY法案の成立はさらに遠のく可能性がある。専門家の多くは、再選活動を抱える議員たちの事情も重なり、法案審議が先送りされるとみている。最悪の場合、成立は2027年の次期議会へ持ち越されることになる。

