
キャピタル・ドットコム、UAEで暗号資産の現物取引へ「値動きだけ」から“本物を保有”可能に
関連会社キャピタル・ボールトがUAE当局の暗号資産ライセンスを取得した。サービス開始後、利用者はキャピタル・ドットコムのアプリを通じ、暗号資産そのものを購入・保有できるようになる。従来のCFD取引との最大の違いは、原資産を実際に所有できる点だ。

取引プラットフォーム兼、差金決済取引(CFD)ブローカーのキャピタル・ドットコムが、アラブ首長国連邦(UAE)で暗号資産の現物取引サービスに乗り出す。
その足がかりとなったのが、関連会社キャピタル・ボールトによるライセンス取得だ。同社はUAEの資本市場庁(CMA)から、暗号資産事業者としての認可を受けた。コインテレグラフが確認した発表によると、このライセンスにより、キャピタル・ボールトは代理人またはマッチド・プリンシパルとして暗号資産を取り扱い、顧客に代わって資産を保管できる。
マッチド・プリンシパルとは、顧客との取引と同時に、同額の反対売買を行う取引方式だ。
サービスが始まれば、UAEの利用者はキャピタル・ドットコムのアプリから、暗号資産そのものを購入し、保有できるようになる。注文の執行から保管、決済までを担うのはキャピタル・ボールトだ。
これまでのCFDは、いわば「暗号資産の値動きに投資する」商品だった。価格が上がるか下がるかによって損益は生じるものの、ビットコインなどの原資産を実際に所有するわけではない。
だが、今回計画されている現物取引では事情が違う。利用者は暗号資産を“本当に買って持つ”ことができる。その差は小さくない。
もっとも、キャピタル・ボールトはキャピタル・ドットコム本体とは切り離された、独立の規制対象法人として運営される。ガバナンスや資産保管、リスク管理の仕組みも、同社のほかの事業とは分離されている。
すでにアブダビにオフィスを開設し、現地で暗号資産事業を担うチームの構築も進めているという。
今回の認可の背景には、UAE当局による規制強化がある。CMAは4月、暗号資産に関する新たな規制枠組みを導入。規制対象となる事業活動を従来の3種類から8種類へと拡大した。
新制度では、事業者の行動規範に加え、代替取引システム、マネーロンダリング対策、健全性基準などについても要件が設けられている。
規制という“外堀”を埋めたうえで、キャピタル・ドットコムはCFDの先にある現物市場へ踏み込もうとしている。
※原文にはドル建ての金額が登場しないため、円換算の記載はありません。

