
「予測市場」はスポーツ賭博なのか? カルシ、ミシガン州で一時禁止 州と連邦の争い激化
ミシガン州の判事が、カルシによる州内住民向けスポーツ賭博契約の提供を一時的に差し止めた。予測市場と賭博法をめぐる州政府と連邦当局の対立は、いよいよ先鋭化している。

ミシガン州の判事が、予測市場プラットフォーム「カルシ」に対し、州内の住民がスポーツイベントに賭けることを一時的に禁じた。州司法長官が、同社のサービスは賭博法に違反していると訴えていたためだ。
カルシに一時的差し止め命令を出したのは、インガム郡巡回裁判所のローズマリー・アクィリーナ判事である。月曜日の裁判所提出書面によれば、カルシが命令で定められたジオロケーション、つまり利用者の所在地確認の要件に従わない場合、1日あたり12万ドル、日本円で約1951万円の制裁金を科されるという。命令の効力は14日間で、7月13日に失効する。
アクィリーナ判事は、カルシのサービスについて、ミシガン州の住民が「投資機会を装ったカルシのスポーツ賭博事業に搾取される」ことで、回復不能な損害を受けるおそれがあると記した。
今回の動きは、予測市場におけるスポーツ賭博への規制当局の視線が一段と厳しさを増していることを示すものだ。ミシガン州は、カルシのスポーツイベント契約に対して裁判所命令による禁止措置を講じた米国で2番目の州となった。これに先立ち、ネバダ州も3月、カルシに対する一時的な禁止措置を出していた。
6月17日には、ケンタッキー州がカルシとポリマーケットを含む5つの予測市場プラットフォームを提訴した。州側は、これらの事業者が無認可のスポーツ賭博プラットフォームを運営していると主張している。このほか、十数州以上が予測市場運営会社を相手取り、法廷闘争に踏み切っている。
一方、米商品先物取引委員会、CFTCは複数の州を相手取って訴訟を起こしている。連邦規制下にあるイベント契約は、CFTCの専権事項に属するというのが同委員会の言い分だ。
コインテレグラフは、今回の判断にカルシがどのように対応するのかについて、同社にコメントを求めている。

State of Michigan vs. Kalshi, court filing. Source: Law360
FIFAワールドカップで膨らむ「予測市場スポーツ賭博」
FIFAワールドカップの開幕以降、予測市場ではスポーツ賭博関連の取引が膨らんでいる。
デューンのデータによれば、既存注文を埋める形でトレーダーが売買した契約量を示す「デイリー・テイカー・ボリューム」は、6月20日に過去最高となる7億1300万ドル、日本円で約1159億円に達した。この節目は、ワールドカップが6月11日に開幕してから1週間余りで訪れた。

Daily prediction market taker volume. Source: Dune
月間の予測市場取引量を見ると、最大手2つの予測市場ではスポーツ賭博が最大カテゴリーとなった。デファイレートのデータによれば、カルシでは40%増の95億ドル、日本円で約1兆5447億円、ポリマーケットでは175%増の53億ドル、日本円で約8618億円に膨らんだ。
6月11日に公表されたバーンスタインのレポートは、2026年FIFAワールドカップによって、スポーツ賭博の取扱高が30億ドル、日本円で約4878億円以上押し上げられ、消費者向け予測市場の取引量も50億〜100億ドル、日本円で約8130億〜1兆6260億円増えると予測していた。
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ポリマーケットのプラットフォームデータによれば、ワールドカップ優勝国を予想する契約だけで、取引量は35億ドル、日本円で約5691億円を超えている。

World Cup Winner event contract. Source: Polymarket
こうした賭けの活況は、ポリマーケットを新たな暗号資産ユーザーの入口として押し上げる結果にもなっている。コインテレグラフに共有されたビットゲット・ウォレットの調査によれば、85万7000人のユーザーのうち、ワールドカップ関連の賭けを行った人の約60%が、予測市場への参加をきっかけに初めてブロックチェーンに触れたという。

