
メキシコ一家4人殺害、狙いはビットコイン入りコールドウォレットか 暗号資産強奪の“レンチ攻撃”が急増
メキシコで発生した一家4人殺害事件をめぐり、容疑者らは数百万ドル相当のビットコインが入っているとみられるコールドウォレットを探していたと報じられている。暗号資産保有者を狙った暴力的な「レンチ攻撃」は、2026年上半期だけで世界的に急増している。

メキシコで4人が殺害された事件をめぐり、容疑者2人は、数百万ドル相当のビットコインが保管されていると信じていたコールドウォレットを探していたとみられる。メキシコ紙ラ・ホルナダが土曜日、メキシコ州検察庁(FGJEM)の発表を引用して報じた。
ディエゴ・セバスティアンとヘラルドの両容疑者は、いずれも姓は公表されていない。メキシコ紙ディアリオ・デ・メヒコによれば、両容疑者は水曜日に裁判所での審理を控えており、裁判官が刑事手続きを継続するに足る証拠があるかを判断する見通しだ。
FGJEMは9月2日、Xへの投稿で、2人の逮捕を発表していた。
ラ・ホルナダによれば、検察当局は、2人がロックバンド「カミロ・セプティモ」のキーボーディスト、ホナタン・メレンデス氏を殺害したとみている。犠牲になったのはメレンデス氏だけではない。妊娠中だった妻、娘、さらに自宅にいた従業員も命を奪われた。現場はメキシコ州アティサパン・デ・サラゴサ市にある自宅だった。一家が飼っていたゴールデンレトリバーも殺されていたという。
ラ・ホルナダによると、FGJEMは、有罪となった場合、容疑者らは殺害された被害者1人につき25年から70年の禁錮刑に直面する可能性があるとしている。
メキシコのオマル・ガルシア・アルフチ治安相は9月2日のXへの投稿で、容疑者の1人が被害者の1人とビジネス上の関係にあったと説明した。容疑者はその関係を利用し、自宅に入った疑いがあるという。
暗号資産保有者を狙う「物理的攻撃」
暗号資産業界で「レンチ攻撃」と呼ばれる手口がある。暴力や脅迫によって、被害者に暗号資産を送金させたり、ウォレットへのアクセス情報を差し出させたりする犯罪だ。
ブロックチェーンセキュリティ企業サーティックによれば、2026年上半期には、暗号資産保有者の自宅を狙った侵入事件が公に報告されただけで20件あった。前年同期はわずか1件だった。
サーティックは、2026年上半期に世界で確認されたレンチ攻撃は計52件に上ったとしている。2025年上半期の39件から33.3%増えた計算だ。

Attack type year-on-year, H1 2025 vs. H1 2026. Source: CertiK
ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの推計では、2026年上半期だけで、犯罪者はレンチ攻撃によって3000万ドル超の暗号資産を奪った。現在の為替水準で換算すれば、約46億円に相当する。
2025年10月には、暗号資産詐欺で有罪判決を受けていたロシア人のロマン・ノバク氏とその妻が、暗号資産ウォレットへのアクセスを要求した襲撃者らに誘拐され、殺害された。ロシアメディアのフォンタンカが報じている。
サーティックによれば、レンチ攻撃は2025年に75%増加し、世界で確認された件数は72件に達した。国別ではフランスが最多で、19件の攻撃が確認された。地域別では、欧州が2025年の世界全体の約40%を占めていた。

