
マスペイとコインベースが提携、USDCで国際送金を高速化
マスペイはコインベースと組み、USDCを使った国際送金サービスに乗り出す。世界中の企業間支払いで、ステーブルコインの送金網がコストを削り、決済時間を一気に縮めると踏んでいる。

国境をまたぐ支払いプラットフォームのマスペイと、米暗号資産取引所大手のコインベースが11日、ステーブルコインを使ったクロスボーダー送金で提携すると発表した。
両社の狙いは明快だ。世界180カ国に広がるマスペイの送金網と、コインベースの暗号資産インフラを接続する。これにより顧客は、法定通貨、USDC、その他のデジタル資産を行き来させながら、国際的な支払いを行えるようになるという。
マスペイのラン・グルシュコウスキーCEOはコインテレグラフに対し、現時点でステーブルコインが同社の取引量に占める割合は「まだ小さい」と認めた。その一方で、新たな送金レールによって、初年度から9桁ドル規模、つまり少なくとも1億ドル(約160億円)規模の支払い処理を見込んでいると語った。
さらに同CEOによれば、この仕組みを利用した顧客では、従来の国際電信送金に比べてコストが約40〜70%下がったという。しかも、決済に数日を要する従来の送金網とは異なり、着金はほぼ即時だというのだ。

MassPay and Coinbase partner on stablecoin cross-border payments. Source: MassPay
今回の提携は、決済大手や金融インフラ企業がステーブルコインに本腰を入れ始めている流れの一環でもある。たとえばストライプやサークルも、国際決済向けのステーブルコイン基盤を拡充している。
マスペイ、ステーブルコイン送金をさらに強化
今回の提携で、コインベースはウォレット基盤、カストディ、オンチェーン決済を提供する。一方のマスペイは、銀行送金、モバイルウォレット、デジタル資産チャネルを通じた「最後の支払い部分」を担う。
コンプライアンス面でも役割は分かれる。コインベースは、規制下のカストディ基盤とライセンスを提供。マスペイは、自社ネットワーク全体で本人確認、制裁リスト照合、税務書類の管理を担当する。
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グルシュコウスキー氏によれば、マスペイはすでに他の事業者を通じてステーブルコイン送金機能を提供している。今回コインベースを加えることで、処理能力と信頼性をさらに引き上げる構えだ。
ステーブルコイン、送金レールにじわり浸透
マスペイとコインベースだけではない。国際送金の世界では、ステーブルコインを基盤にしたインフラ整備が着実に進んでいる。
ストライプは2025年2月、企業向けにステーブルコイン利用を拡大するスタートアップ、ブリッジを買収した。同社は、ステーブルコイン基盤が国境を越えた商取引の加速に重要な役割を果たすと見ている。
またサークルは2025年4月、サークル・ペイメンツ・ネットワークを発表した。これは銀行、決済会社、デジタルウォレットを接続し、USDCやEURCなど規制対応型の決済用ステーブルコインを使って、リアルタイムの国際決済を可能にするネットワークだ。
暗号資産業界が長らく掲げてきた「安く、速い国際送金」という看板は、かつては理想論にも聞こえた。だが、マスペイ、コインベース、ストライプ、サークルといった企業が相次いで動き出したことで、その構想はようやく実務の送金網へと入り込み始めている。

