
ウエダ前SEC委員長、暗号資産企業への訴訟取り下げは「180度の方針転換」に備えるため
米証券取引委員会(SEC)のマーク・ウエダ前委員長代行は、前政権下で暗号資産企業に対して提起された民事訴訟を取り下げた理由について、SECが暗号資産規制で「180度の方針転換」を準備していたためだと説明した。

米証券取引委員会(SEC)のマーク・ウエダ委員は、前政権下で暗号資産企業に対して提起された民事訴訟をSECが取り下げた背景について、規制方針の「180度の方針転換」を準備していたためだと説明した。
ポール・アトキンス氏がSEC委員長に正式承認されるまで委員長代行を務めていたウエダ氏は、9月23日に開かれた金融市場・政策の研究機関Psaros Center for Financial Markets and Policyの「Financial Markets Quality Conference」で発言した。
ウエダ氏によると、SECは2025年初め、暗号資産企業を相手取った訴訟を取り下げた。新たな規制方針に反する主張を法廷で続ければ、SEC自身の信頼性を損なう可能性があったためだという。
ウエダ氏は、当時の暗号資産企業に対する訴訟について、法的に正当化できるのか「重大な懸念」があったと説明した。
ウエダ氏は「前政権下で承認された訴訟であっても、われわれの訴訟担当者が法廷に立ち、そこで主張していた内容から180度変わる委員会の解釈を示すようなことはしたくない」と述べた。
「それでは、われわれの機関としての信頼性が損なわれると思う」
ウエダ氏はこう語った。

SEC Commissioner Mark Uyeda. Source: Psaros Center for Financial Markets and Policy
クラーケン、リップル、コインベースなどへの訴訟を取り下げ
ウエダ氏が2025年1月から4月までSEC委員長代行を務めていた期間、SECはクラーケン、リップル・ラボ、コインベースなどに対する訴訟を取り下げた。
これについては、暗号資産業界が2024年の大統領選でドナルド・トランプ氏を支援したことへの報復だったとして、批判する声もあった。
SECによる訴訟の多くは、前委員長のゲイリー・ゲンスラー氏の在任中に提起された。
トランプ氏は選挙期間中、当選すればゲンスラー氏を「初日に」解任すると公約していた。ゲンスラー氏はトランプ氏が大統領に就任した日に辞任した。
ウエダ氏は2022年からSEC委員を務めており、現在はアトキンス委員長、ヘスター・パース委員とともにSECの指導部を構成している。
パース氏は11月に退任する見通しで、そうなればSECの5人の委員のうち、指導部に残るのは2人だけとなる。
現時点でトランプ氏は、後任候補となる新たな委員を指名していない。

