
コインベース、ビットコイン担保で住宅ローン頭金を可能に 暗号資産で家を買う時代へ
コインベースは今夏から、一定の条件を満たす借り手に対し、デジタル資産を担保に差し入れることで、ファニー・メイが裏付ける住宅ローン向けの資金を調達できる仕組みを提供する。

暗号資産交換業者のコインベースが、住宅ローン市場に本格的に踏み込もうとしている。
コインベースは今夏から、一定の条件を満たす借り手に対し、デジタル資産を担保に差し入れることで、ファニー・メイが裏付ける住宅ローン向けの資金を調達できる仕組みを提供する。
コインベースと提携先のベター・ホーム・アンド・ファイナンスは木曜日の発表で、この住宅ローンの新スキームを「2026年夏までに」開始すると明らかにした。対象となる借り手は当初、ビットコイン(BTC)またはUSDC(USDC)を担保として差し入れ、住宅購入の頭金に充てるローンを利用できるようになる。両社はこの構想を3月に初めて公表しており、デジタル資産を住宅購入の資金調達に使う道を開く、金融業界にとって大きな転換点となる可能性がある。

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ベター創業者兼CEOのヴィシャル・ガーグ氏は、こう語った。
「私たちは、条件を満たすすべての借り手にアクセスを広げられることをうれしく思っています。これは長年続いてきた問題の解決です。つまり、重要な審査項目ではすべて適格なのに、資産が従来の金融システムが想定する場所にないため、頭金の壁を越えられない買い手がいるという問題です」
ガーグ氏は3月、Xへの投稿でもこう述べていた。
「これはニッチな話ではありません。大半の金融資産がトークン化されれば、誰もがやるようになることです。住宅を買う、より優れた方法なのです」
コインベースとベターの動きの背景には、トランプ政権下で米規制当局が暗号資産企業に対してより友好的になり、デジタル資産を伝統的金融に組み込むことを受け入れつつある流れがある。
2025年6月、米連邦住宅金融庁(FHFA)は、ファニー・メイとフレディ・マックに対し、住宅ローンのリスク評価において、暗号資産を法定通貨に換金することなく資産として考慮するよう指示した。
このFHFAの指示以降、同様の動きに出る住宅ローン会社も現れている。2月にはニューレズが、借り手の暗号資産保有を住宅ローン申請の資格審査に使えるようにした。

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価格変動リスクと政治的思惑への疑念
もっとも、ビットコインのような暗号資産には大きな価格変動がつきものだ。そのため、暗号資産担保型の住宅ローンには課題も残る。
一部の米議員は、こうした政策を支持するFHFAトップのビル・プルテ氏について、ドナルド・トランプ大統領から「不当に影響を受けている」と批判している。
2025年7月、5人の米上院議員はFHFAの指示を受け、プルテ氏宛ての書簡で次のように警鐘を鳴らした。
「未換金の暗号資産を引受基準に含めるよう拡大することは、住宅市場と金融システムの安定にリスクをもたらしかねない」
一方で、暗号資産推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員を含む共和党議員らは、FHFAの指示を法律として明文化することを提案している。ルミス氏は2025年7月、「21世紀住宅ローン法」を提出し、政府機関は「現代的で、将来を見据えた世代のニーズに応えるために進化しなければならない」と訴えた。
暗号資産を売らずに、家を買うための頭金に使う――。
そんな時代が、米住宅ローン市場では現実のものになりつつある。

