
クラーケン、アップルやテスラの「トークン化株」でレバレッジ取引可能に 売らずに担保利用
対象ユーザーは、保有資産を売却することなく、一部のトークン化株式やETFを先物・証拠金取引の担保として使えるようになった。

暗号資産取引所クラーケンが、トークン化された一部の株式と上場投資信託(ETF)を、先物取引や証拠金取引の担保として受け入れ始めた。対象となる利用者は、保有資産を売却することなく、レバレッジをかけたポジションを建てられるようになる。
まず対応するのは、アップル、エヌビディア、テスラ、ストラテジー、SPDR S&P500 ETF、インベスコQQQトラストなど、計10種類のトークン化株式・ETFだ。対象ユーザーは、これらの保有分をいったん売却せず、そのまま担保として差し入れることができる。
ただし、担保としての評価額は額面通りではない。クラーケンは各資産に「ヘアカット」と呼ばれる掛け目を設定しており、リスクに応じて担保価値を差し引く仕組みだ。幅広い市場に連動するETFのヘアカットは最も低い10%。一方で、ストラテジーやロビンフッドのように値動きの大きい銘柄は、30%のディスカウントが適用される。
さらに、クラーケンは各資産ごとに担保上限も設けた。広範な市場に連動するETFは最大100万ドル、約1億6190万円まで。多くの個別株は25万ドル、約4048万円まで。トークン化された金とサークル株については10万ドル、約1619万円までとなる。同取引所は、これらの担保上限やヘアカットについて、定期的に見直すとしており、今後変更される可能性もある。
この機能を利用できるのは、米国外の対象顧客に限られる。クラーケンによれば、欧州経済領域(EEA)では、トークン化株式を先物取引の担保として利用できる。一方、証拠金取引の担保としての利用は、EEA外の対象地域で提供される。
今回の発表は、クラーケンがメイプルと提携し、機関投資家向け暗号資産レンディングのためのオンチェーン・ウェアハウス・ファイナンス枠を立ち上げてから、およそ1週間後のことだ。ブロックチェーンを活用したストラクチャード・クレジットを通じて、同取引所はレンディング事業の拡大を狙っている。
トークン化資産、金融市場で存在感増す
クラーケンの今回の動きは、トークン化された現実資産、いわゆるRWAの役割を金融市場で広げようとする一連の流れに連なるものだ。最近の取り組みでは、ブロックチェーン上の証券を担保、決済資産、さらには機関投資家向け融資インフラの構成要素として使う動きが目立っている。
2月には、フランクリン・テンプルトンとバイナンスが、機関投資家向けのプログラムを開始した。トークン化されたマネー・マーケット・ファンドの持ち分を、取引担保として使えるようにする仕組みで、裏付け資産は規制下にあるオフエクスチェンジ保管に置かれたままとなる。
ブラックロックのトークン化米国債ファンド「BUIDL」も、バイナンスのほか、クリプトドットコムやデリビットで取引担保として受け入れられている。
今週初めには、トレードウェブが、カントン・ネットワーク上でトークン化された現金を使い、トークン化米国債のリアルタイム売買を実行したと発表した。同社によれば、これは初の事例だという。
RWA.xyzによると、トークン化された現実資産の分散価値は約326億ドル、約5兆2780億円に拡大している。また、トークン化株式の規模は約20億ドル、約3238億円に達し、1年前の約3億8100万ドル、約617億円から大きく膨らんだ。

Source: RWA.xyz
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