
カルシのアクセス数が1年で15倍に急増 「予測市場ブーム」の裏で規制当局の包囲網も強まる
予測市場大手カルシの米国ウェブ訪問数が、わずか1年で約15倍に膨らんだ。取引高も急拡大する一方、スポーツ契約をめぐって「金融商品か、ギャンブルか」という法的火種が燃え広がっている。

大手予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)が、米国で急激に存在感を高めている。ウェブトラフィックはこの1年で爆発的に伸び、同社のイベント契約ビジネスが急成長している実態を浮き彫りにした。一方で、その拡大には規制当局や裁判所から厳しい視線も向けられている。
コインテレグラフが金曜日に確認したシミラーウェブ(Similarweb)の推計によると、カルシの米国からの訪問数は7月に1540万件を記録した。2025年8月時点では100万件弱だったため、約1520%増という桁違いの伸びである。
7月のカルシ全体のトラフィックのうち、米国からのアクセスはほぼ80%を占めた。2025年8月の72.8%からさらに比率が高まっており、同社の成長が依然として米国市場に大きく偏っていることがわかる。
この急伸の裏側では、カルシが扱うスポーツ契約をめぐり、連邦当局の監督下に置かれるべき金融商品なのか、それとも州法上のギャンブルに該当するのかという法廷闘争が激しさを増している。ニュージャージー州はこの問題をめぐり、米連邦最高裁に判断を求めている。
取引高の伸びは、アクセス数の増加をさらに上回っている。
予測市場がこの1年で急拡大するなか、カルシのウェブトラフィック増加と並行して、実際の取引活動も一段と膨らんだ。
Dune Analyticsの予測市場データダッシュボードによると、カルシの8月の月間想定取引高は約400億ドル、約6兆1800億円に達した。前年同月は8億7400万ドル、約1350億円だったため、伸び率は約4500%にのぼる。

Source: Dune Analytics
予測市場業界全体でも、月間想定取引高は同期間に約20億ドル、約3090億円から507億ドル、約7兆8400億円へ拡大した。そのうちカルシは最新の合計額の約79%を占めており、業界内での存在感は圧倒的だ。
一方で、カルシの取引高の中身には偏りもある。バロンズは木曜日、カルシの7月の取引高の83%をスポーツ契約が占めていたと報じた。
規制上の「立入禁止区域」からのアクセスも増えている。
7月にカナダからカルシのウェブサイトを訪れた件数は約45万件だった。2025年8月時点では約5万件にすぎなかった。英国からのトラフィックも、同期間に3万1000件から29万6000件へ増加した。
だが、カナダと英国はいずれも、カルシの会員契約上、ユーザーがカルシのプラットフォームへ直接アクセスしたり、直接取引したりすることが現在禁止されている地域に含まれている。
カルシは6月、カナダの金融サービス企業ウェルスシンプル(Wealthsimple)と提携し、別アプリを通じて約4000件の対象カルシ契約にアクセスできる仕組みを提供している。

Kalshi website traffic by country in July 2026 and August 2025. Source: Similarweb
2025年8月から2026年7月にかけて、カナダのトラフィック全体に占める比率は3.8%から2.3%へ低下した。英国も2.4%から1.5%へ下がっている。ただし、両国からの訪問件数そのものは大きく増えている。
コインテレグラフは、アクセス制限対象地域からのトラフィックについてカルシにコメントを求めたが、記事公開時点までに回答は得られていない。

