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Zoltan Vardai著ライターRobert Lakin監修編集者

ステーブルコインが国際送金で広がらない理由 WTO幹部「問題は技術ではなく規制」

最新ニュース公開日2026年9月16日

WTO幹部は、ステーブルコインが貿易金融のコストや送金速度を改善し得る一方、各国で規制が分断されていることが国際金融での普及を妨げていると指摘した。

国際貿易におけるステーブルコインの普及を妨げているのは、技術そのものではない。壁になっているのは、各国でばらばらに整備されている規制体制だ――。

世界貿易機関(WTO)のサービス貿易・投資部門ディレクターであるフアン・マルケッティ氏は、ジュネーブで月曜日に行われたWTOのステーブルコインに関する調査発表の場で、こう指摘した。

「制約は技術ではない。実際には規制であり、規制枠組みの整備が進んでいないことだ」

マルケッティ氏は、金融安定理事会(FSB)が2025年10月に公表した報告書を引用し、調査対象となった28の法域のうち、ステーブルコインに関する規制枠組みを最終化しているのは39%、すなわち11法域にとどまると説明した。

同氏によれば、ステーブルコインは貿易金融が抱える主要な摩擦を改善する可能性がある。しかし現時点では、規制体制が国・地域ごとに分断されているため、国際決済全体に占める割合はわずか3%にとどまっているという。

WTOの報告書は、ステーブルコインの導入によって改善し得る5つの摩擦として、高コスト、送金速度の遅さ、アクセスの制限、透明性の不足、外国為替上の制約を挙げた。

Stablecoins ability to ease friction in international payments. Source: Cointelegraph/WTO

また同報告書は、クロスボーダー決済におけるステーブルコイン決済が、2020年から2024年半ばにかけて35倍に拡大したことも明らかにした。

新興国ほど恩恵大きい だが規制整備は遅れ

WTOによれば、ステーブルコインの導入で最も恩恵を受ける可能性があるのは新興国だ。送金手数料を引き下げられる余地が大きいためである。

だが皮肉なことに、こうした国々ほど、ステーブルコインの普及を後押しするための規制体制が十分に整っていない。マルケッティ氏は次のように述べた。

「貿易への貢献度は、技術そのものよりも、規制の収れん、相互運用性、そして周辺の金融インフラに大きく左右される。とりわけ恩恵を受ける立場にある新興国ではその傾向が強い」

世界の大手決済企業の一部は、クロスボーダー決済を改善する手段として、すでにステーブルコインの活用を模索している。

8月には、マスターカードがステーブルコイン・オーケストレーション・ネットワークのボーダーレスと提携し、同社のクリプト・クレデンシャルの枠組みを通じて、クロスボーダーのステーブルコイン送金にさらなる信頼性を持ち込むための実証実験を開始した。

マスターカードは6月にも、日中、週末、祝日のカード決済に対応するため、決済機能を拡張する計画を発表していた。その中には、ステーブルコインを通じた決済も含まれている。

また8月には、ウエスタンユニオンがステーブルコイン・インフラ企業レインと提携したと発表した。米ドル連動型ステーブルコインを保有・利用できるデジタルウォレットとVisaブランドのカードを、37市場で展開する計画だ。年内には60市場超へ拡大する方針としている。

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