
W杯で“賭け市場”が爆伸びか コインベースとロビンフッドが稼ぐ理由
バーンスタインによれば、2026年FIFAワールドカップは予測市場に数十億ドル、数千億円規模の資金を呼び込む可能性がある。コインベースとロビンフッドは、その新規ユーザー獲得競争で大きな果実を得る立場にあるという。

2026年FIFAワールドカップが、予測市場にとって“ブレイクの瞬間”になるかもしれない。その最大の勝ち組の一角として浮上しているのが、米暗号資産取引所コインベースだ。バーンスタインの新たな調査レポートがそう指摘している。
木曜日に公表された同レポートで、バーンスタインのアナリストらは、出場国と試合数が拡大された今回の大会について、スポーツベッティングの取扱高を30億ドル、約4800億円押し上げると試算した。さらに、消費者向け予測市場の取引量も50億〜100億ドル、約8000億〜1兆6000億円増える可能性があるという。
通常、オンラインのスポーツベッティングにとって夏場は閑散期だ。だが、104試合に拡大されたワールドカップが、その“空白の季節”を一変させるというわけである。
FIFAは、1カ月にわたる今大会の世界視聴者数について、約60億人に達すると見込んでいる。2022年カタール大会の推定50億人から、さらに10億人増える計算だ。試合は本日開幕する予定となっている。
バーンスタインによれば、コインベースはすでにこの分野で大きな存在感を示している。同社は予測市場サービスを開始してからわずか数カ月後の3月、同事業の年換算収益が1億ドル、約160億円を突破したという。
コインテレグラフが既報の通り、コインベースはカールシとの提携を通じ、全米規模で予測市場を展開した。これにより、米国50州すべてのユーザーが、スポーツ、政治、文化、その他現実世界の出来事に連動したイベント契約を取引できるようになった。
恩恵を受けるのはコインベースだけではない。ロビンフッドも、今回のワールドカップを追い風にする企業のひとつとみられている。
バーンスタインは、ロビンフッドが同大会を機に、米商品先物取引委員会、CFTCの認可を受けた自社の予測市場向け取引所・清算機関「ロセラ」を立ち上げると指摘した。
「予測市場は、ロビンフッドにとって追加収益を生む最大のドライバーになるとみている」
アナリストらはそう記し、2026年の予測市場関連収益を約5億8600万ドル、約938億円と予想している。
バーンスタインは、FIFAワールドカップがオンラインスポーツベッティングにとって最も静かな時期を、賭け金と予測市場の取引量を押し上げる一大イベントに変えるとみている。

Bernstein expects the FIFA World Cup to transform the slowest months for online sports betting into a major driver of betting and prediction market volumes. Source: Bernstein
スポーツが予測市場の最大成長エンジンに
予測市場は、暗号資産分野で最も急成長しているユースケースのひとつになっている。暗号資産市場全体が冷え込む局面でも、その勢いは衰えていない。
ビットゲット・ウォレットとポリマーケットが4月に公表したレポートによれば、予測市場の月間取引量は約260億ドル、約4兆1600億円に達した。ユーザーの80%超を個人トレーダーが占めているという。

Prediction market volumes have grown considerably since late 2025. Source: Bitget Wallet
同レポートは、利用者行動にも構造的な変化が起きていると指摘している。
かつて予測市場は、選挙のような一回限りのイベントで取引が盛り上がる場だった。しかし現在は、定期的に発生するカテゴリーでユーザーを継続的に囲い込む方向へと変わりつつある。その最大セグメントとして台頭しているのがスポーツだ。
ビットゲット・ウォレットとポリゴンによれば、3月だけでスポーツベッティングは予測市場全体の取引量の39%超を占めた。
一方、規制面でも動きがあった。CFTCは水曜日、予測市場に関する規則案を公表した。そこでは、スポーツ関連のイベント契約について、連邦法上は「ゲーミング」に分類されるものの、一般的には公共の利益に反するものではないとの見解が示されている。

