
ビットコイン"二番底"の悪夢! 米上院が"夏休み"でCLARITY法を店晒し──名門バーンスタインが緊急警告
米議会が暗号資産のルール整備を「先送り」する公算が一気に濃厚となった。運用大手バーンスタインは、上院の"サボり"がビットコインをもう一段下へ叩き落とす恐れを指摘。市場に走る「反射的な売り」の恐怖とは。だが、この頓挫が逆に"塞翁が馬"となる筋書きも——。

暗号資産の命運を握る法案が、いままさに宙に浮こうとしている。
富裕層マネーの番人として知られる運用大手バーンスタインによれば、「デジタル資産市場明確化法(通称CLARITY法)」が成立する見込みは、日を追うごとにしぼんでいるという。米上院が今週末から夏季休会に入る予定であることが、暗号資産の評価額にさらなる"下げ"をもたらしかねない――というのだ。
バーンスタインが鳴らす警鐘は生々しい。上院が法案を通せなければ、業界には即座に「反射的な売り」が走り、ビットコインをはじめとする暗号資産市場全体がもう一段、奈落へと沈む可能性があるという。
もっとも、同社の見立てはただ悲観一色というわけではない。月曜にコインテレグラフへ共有されたリポートで、アナリストらはこう記している。
「戦術的な観点から言えば、暗号資産市場は中間選挙を前にした第3四半期後半から第4四半期初頭にかけて底を打ち、勢いを取り戻し始めると我々は予想している」
頓挫が"塞翁が馬"に? 規制当局が動く可能性
ここからが本題である。皮肉なことに、法案が流れたことが逆に追い風を呼び込むかもしれない――アナリストらはそう指摘する。
上院が立法に失敗すれば、CFTC(商品先物取引委員会)やSEC(証券取引委員会)といった規制当局が、これまで以上に前のめりの政策支援に踏み切る可能性がある。「プロジェクト・クリプト」の下でのルール策定が、一気に加速するというシナリオだ。
このプロジェクト・クリプトなる代物、由来を辿ればSECのポール・アトキンス委員長が2025年7月にぶち上げたのが始まりで、同年9月にはSECとCFTCの合同スタッフイニシアチブへと格上げされた。議会がCLARITY法の下で暗号資産の市場構造法を仕上げるまでのあいだ、既存の当局権限を使ってデジタル資産に実務的な規制の枠組みをこしらえよう――という狙いである。
バーンスタインいわく、両当局はトークンの分類に紐づく解釈指針をさらに示し、DeFi(分散型金融)まわりのルールを明確化し、さらには一定期間だけトークン発行を証券の扱いから外す「イノベーション免除」を前倒しで進めうる、という。
CLARITY法成立の目、なんと"31%"まで低下
バーンスタインの懐疑論を裏打ちするのが、賭けに手慣れた予測市場のプレイヤーたちだ。彼らは2026年内のCLARITY法成立に、こぞって"反対票"を投じている。
予測市場ポリマーケットによれば、年内成立の見込みはいまや31%。この1週間で7ポイント、この1カ月では9ポイントも下落した。同予測にはおよそ370万ドル(約5億7,700万円)もの資金が張られているという。
一方で、ホワイトハウス高官らは超党派の"倫理"対案を検討しているとも報じられている。共和党のトム・ティリス上院議員とアリゾナ州選出の民主党ルーベン・ガレゴ議員が数週間にわたって交渉を重ねた末、木曜に受け取ったものだという。
この対案が通れば、連邦当局者への倫理関連法の執行を司法省が怠った場合に、各州の司法長官が同省を提訴できるようになる――暗号資産ジャーナリストのエレノア・テレット氏に対し、事情に通じた3人の関係者がそう明かした。

Prediction market odds of the CLARITY Act being signed into law by the end of 2026. Source: Polymarket
銀行業界の逆鱗、ステーブルコインの"利回り"問題
そもそもCLARITY法は、米国で初となるデジタル資産の規制枠組みを打ち立てることを狙った法案だ。ところが、これに銀行業界が猛反発している。現行の草案では、暗号資産企業が伝統的な金融機関と同じ要件を課されぬまま、ステーブルコインに利回りを付けて提供できてしまう――というのが言い分である。
雲行きの怪しさは以前から漂っていた。6月26日には、ギャラクシー・デジタルがCLARITY法の2026年成立見込みを50%へと引き下げ、「8月の休会前にこの市場構造法案を動かすには、米上院はもはや時間切れ寸前だ」と警告を発していたのだ。

