
CLARITY法失速の余波か ブロックチェーン協会CEOが退任へ=CFTC元委員マーシンガー氏
米暗号資産業界が最重要法案の1つと位置づけるCLARITY法が上院で足踏みする中、ロビー団体ブロックチェーン協会のCEOが退任する。元CFTC委員のサマー・マーシンガー氏は、就任から約1年余りで団体を離れることになる。

米商品先物取引委員会(CFTC)の元委員で、ブロックチェーン協会(Blockchain Association)のCEOを務めてきたサマー・マーシンガー氏が、年内に同団体を離れる。米議会で暗号資産市場構造法案「CLARITY法」が失速した直後の退任であり、ワシントンにおける暗号資産業界のロビー活動にも微妙な影を落としている。
ブロックチェーン協会は金曜日、マーシンガー氏が10月16日付でCEOを退任すると発表した。後任には、同団体の元CEOであるクリスティン・スミス氏が暫定CEOとして復帰する。スミス氏は現在、ソラナ・ポリシー・インスティテュートのプレジデントも務めている。
マーシンガー氏は2025年6月、CFTC委員を退任した後、ブロックチェーン協会に加わった。CFTC委員としての2期目の任期終了予定まで、まだ3年を残しての転身だった。
マーシンガー氏は今回の退任について、次のようにコメントしている。
「私がCFTCからこの団体に来たのは、この業界には明確なルールと、それをワシントンで訴える信頼できる統一された声が必要だと考えたからだ」
ブロックチェーン協会は、マーシンガー氏の実績として、米国ステーブルコインのための国家的イノベーションを導く「GENIUS法」の推進や、米証券取引委員会(SEC)とCFTCにおける「規制の明確化」への貢献を挙げた。
ただし、同団体の発表文で目を引くのは、CLARITY法への言及がなかった点だ。
CLARITY法は、正式名称を「Digital Asset Market Clarity Act」とする法案で、デジタル資産市場におけるSECとCFTCの管轄を明確にしようとするものだ。暗号資産業界にとっては、米国で長く続いてきた「どの資産が証券で、どの資産が商品なのか」という規制上の曖昧さを整理する重要法案と位置づけられてきた。
ブロックチェーン協会も同法案を重要視しており、議員に支持を繰り返し求めてきた。それだけに、今回の退任発表でCLARITY法に触れなかったことは、同法案の行方が不透明になっている現状をにじませるものでもある。
同法案は今月初め、上院での討論終結動議に必要な支持を民主・共和両党から十分に得られず、前進できなかった。多くの専門家は、この結果により、CLARITY法は2027年まで宙に浮く可能性が高いとみている。
暗号資産業界にとって、GENIUS法の前進は成果だった。一方で、市場構造そのものを定めるCLARITY法が停滞すれば、取引所やトークン発行体、投資家をめぐる規制の不確実性はなお残る。マーシンガー氏の退任は、こうした政治的な停滞感の中で発表された格好だ。
ブロックチェーン協会は、マーシンガー氏の2027年以降の予定に関する質問に対して、ただちには回答しなかった。

