
アーチャックス、ヘデラでトークン化証券の利回りをリアルタイム分配 USDCで継続支払い
英国規制下のデジタル資産プラットフォームが打ち出した新システムは、トークン化証券に発生する利息をリアルタイムで追跡し、その支払いをUSDCで継続的に分配するというものだ。

英国規制下のデジタル資産プラットフォーム、アーチャックスが、ヘデラ上でトークン化証券の利回りをリアルタイムで支払う仕組みを導入した。これにより、トークン化証券から生じる利息を、USDCで継続的に分配できるようになる。
この仕組みの肝は、トークン化証券がウォレット間を移動しても、利息の支払いが自動的に更新される点にある。アーチャックスによれば、キャッシュフローは原資産と一体で移転されるため、利回りも所有者の移動に合わせてリアルタイムに追随するという。
現在、多くのトークン化証券では、伝統的な金融商品と同じく、利息の分配は定期的に行われている。だが、アーチャックスの新システムでは、キャッシュフローを継続的に発生・決済させることが可能になる。リアルタイムのクーポン支払い、あるいは収益分配型の契約などへの応用が見込まれる。
今回の発表は、アーチャックスがこれまで進めてきたトークン化投資商品の取り組みを土台にしたものだ。同社は昨年9月、ヘデラ上で「プール・トークン」を導入した。これは複数のトークン化資産をひとつのオンチェーン商品に束ねる仕組みで、大手資産運用会社のマネー・マーケット・ファンドを裏付けとする商品も含まれていた。
アーチャックスの共同創業者でCEOのグレアム・ロッドフォード氏は、トークン化は「第一歩」にすぎないと指摘する。そのうえで、リアルタイムのキャッシュフローが実現すれば、トークン化資産は利回りの流れを支える金融商品となり、市場の非効率性を減らせる可能性があるとの見方を示した。
アーチャックスは英国で規制を受けるデジタル資産取引所兼カストディアンである。一方、ヘデラは、金融機関がトークン化資産商品を開発する際に利用するパブリック分散型台帳ネットワークだ。ヘデラによれば、アーチャックスのプラットフォームでは、6社の資産運用会社による3億ドル超、約480億円超のトークン化資産が取り扱われている。
利回り付きトークン化資産に熱視線
金融機関の間では、利回りを生む資産をブロックチェーン上に持ち込む動きが強まっている。なかでも、トークン化されたマネー・マーケット・ファンドは、現実資産、いわゆるRWA市場のなかで存在感を増しつつある。
4月には、OKXがブラックロックのトークン化米国債ファンド「BUIDL」を、スタンダードチャータードとの担保枠組みに追加した。これにより、機関投資家の顧客は、規制下のカストディに資産を置いたまま、この利回り付き資産を取引証拠金として利用できるようになった。
その数週間後には、JPモルガンが、イーサリアム上でトークン化マネー・マーケット・ファンドを立ち上げるための申請を行った。このファンドはステーブルコイン発行体向けに設計され、米財務省短期証券や翌日物レポ取引に投資する。ステーブルコインの裏付け準備金から利回りを得られるようにする狙いだ。
こうした動きは、暗号資産市場全体が軟調な局面でも、トークン化された現実資産が拡大を続けていることを示している。バイナンス・リサーチによれば、アクティブなトークン化RWAの価値は、2025年初頭から589%増加した。なかでもトークン化債券とマネー・マーケット・ファンドは、この期間に約65億ドル、約1兆400億円の価値を積み増したという。

Growth in tokenized US Treasurys began climbing in early 2025. Source: RWA.xyz

