
欧州5万人超、ステーブルコインの還元規制緩和を要求 EUのMiCA見直しで
欧州の暗号資産擁護団体「Stand With Crypto EU」によると、5万人を超える欧州の市民が、EUの暗号資産規制「MiCA」の見直しに際し、ステーブルコインの報酬に関する規制緩和を欧州委員会に求めた。キャッシュバックやロイヤルティ特典、手数料の引き下げなどを認めるよう求めている。

5万人を超える欧州の市民が、ステーブルコインの保有者に対する報酬をめぐる規制の緩和を欧州委員会に求めている。
暗号資産(仮想通貨)擁護団体のStand With Crypto EUによると、EUの暗号資産規制「暗号資産市場規則(MiCA)」の見直しの一環として、5万人超がこうした要求を寄せた。
欧州委員会は10月1日、MiCA見直しに関する意見募集を締め切った。これに合わせてStand With Crypto EUは、規制対象のステーブルコイン発行者が、キャッシュバックやロイヤルティ特典、手数料の引き下げなどのインセンティブを提供できるようにすることを求めた。
同団体によると、意見募集期間中に5万人を超える支持者が欧州委員会に意見を送った。また、これとは別に、より柔軟なEUのステーブルコイン政策を求める同団体の請願書には12万6000人以上が署名している。

Stand With Crypto EU campaign vehicle outside the European Parliament in Brussels, Belgium. Source: Stand With Crypto EU
MiCAでは、ステーブルコインの発行者や暗号資産サービスプロバイダーが、ステーブルコインに対して利息を支払うことが禁止されている。
Stand With Cryptoは、この規制によってステーブルコインが、顧客に特典を提供できる銀行預金や電子マネーなどの商品に対して不利な立場に置かれていると主張している。
同団体によると、今回のキャンペーンで寄せられた意見は8221件だった欧州中央銀行(ECB)のデジタルユーロに関する意見募集の6倍以上に達した。また、欧州委員会が2020年に暗号資産規制について実施した意見募集の回答数198件も大きく上回った。
EUに米国との競争を求める
Stand With Crypto EUのゼネラルマネージャー、ハリー・ピアース・グールド氏はCointelegraphに対し、「MiCAの見直しを利用して、規制対象のステーブルコインが保有者に報酬を提供できるよう欧州委員会に求めている」と述べた。
EU域外の規制モデルを参考にすべきかとの質問に対し、ピアース・グールド氏は米国を挙げた。
「米国は、トークン化のための決済基盤としてステーブルコインを支援するという明確な選択をした。欧州は米国をそのまま模倣する必要はないが、競争する必要はある」
同氏は、報酬の提供を認めることで、ユーロ建てステーブルコインの普及を後押しし、ドル建てステーブルコインとの競争力を高められる可能性があると付け加えた。
「強力なユーロ建てステーブルコインは、ユーロの国際的な地位と、EUの決済主権にとって重要だ」と同氏は述べた。
EU中央銀行、ステーブルコイン規制の変更を要求
今回のキャンペーンは、欧州の中央銀行がステーブルコインに対するMiCAの規制について、より幅広い変更を求めるなかで行われた。
欧州中央銀行制度(ESCB)は9月22日、欧州委員会によるMiCA見直しへの回答の中で、ステーブルコインへの利息支払い禁止を、利回りを生み出す融資や借り入れ、ステーキングにも拡大するよう求めた。
ESCBはまた、ステーブルコイン発行者が準備資産の一定割合以上を銀行預金で保有することを求めるMiCAの規定について、流動性基準に置き換えることも提案した。
中央銀行側は、ステーブルコインで取り付け騒ぎが発生し、発行者が預金を急速に引き出す必要に迫られた場合、現在の規則が銀行の資金繰りを圧迫する可能性があると主張している。
ECBも別途、流動性のミスマッチが生じる可能性を指摘している。6月には、ステーブルコインは24時間体制で決済される一方で、その準備資産は従来型の決済スケジュールに従って運用される可能性があると指摘した。

Source: European Central Bank
こうした提案の背景には、ステーブルコインが金融安定性に与える影響をめぐるECBのより広範な懸念もある。
ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は5月、預金が銀行からステーブルコインへ流出すれば、銀行融資や金融政策の波及経路が弱まる可能性があると警告した。
一方でラガルド氏は、欧州は中央銀行マネーを基盤としたトークン化された金融インフラを優先すべきだと主張している。

