
トランプ家系ステーブルコイン「USD1」、カントンで本格始動 RWA決済が一気に分かる
トランプ家が支援するワールド・リバティ・ファイナンシャルのステーブルコイン「USD1」が、機関投資家向けブロックチェーン「カントン・ネットワーク」でネイティブ発行された。トークン化された実物資産の決済で、現金部分を担う狙いだ。

ワールド・リバティ・ファイナンシャルは、同社のステーブルコイン「USD1」をカントン・ネットワーク上でネイティブに発行した。これにより、機関投資家はトークン化された実物資産、いわゆるRWAの取引決済にUSD1を使えるようになる。
発表によれば、USD1はデリバティブの担保、機関投資家向け融資、資産発行、償還などの取引で「現金側」の決済手段として利用できる。要するに、資産の受け渡しと支払いを同じ土俵で済ませるためのデジタルドルだ。
今回のポイントは「ネイティブ発行」にある。USD1がカントン上で直接発行されることで、トークン化資産と同じ取引の中で決済できる。しかもカントンが持つプライバシー管理や許可制の仕組みを使えるため、規制対応を重視する金融機関にも売り込みやすい。
デファイラマのデータによると、USD1の時価総額は約40億5000万ドル、日本円で約6450億円。ステーブルコインとしては世界6位の規模となる。USD1はビットゴー・バンク・アンド・トラストが発行しており、同社が準備資産の管理やミント、償還処理を担うという。
ワールド・リバティ・ファイナンシャルは、トランプ家が支援する暗号資産ベンチャーとして2024年に立ち上がった。USD1は2025年3月に登場し、同社によれば短期米国債、政府系マネーマーケットファンド、ドル預金などを裏付け資産としている。
一方のカントンは、機関金融向けに設計されたパブリックかつパーミッションレスなブロックチェーンだ。同ネットワークは、毎月9兆ドル超、日本円で約1433兆円超のトークン化資産を処理・発行していると説明している。さらに、オンチェーン化された米国債は1日あたり3500億ドル超、日本円で約55兆7000億円超がネットワーク上を移動しているという。
カントンをめぐっては先週、別の大型計画も明らかになっている。デジタル・アセットと、元米下院議長ポール・ライアン氏のアメリカン・アイデア財団が、州政府の給付金配布にカントンベースの仕組みを使う実証実験を発表した。対象は米国3州で、開始は2027年を予定している。

