
USDC供給が7日で3185億円増 サークル株は「60%上昇」も
半年間の停滞を破り、ステーブルコインUSDCの供給量がわずか7日間で約20億ドル増加した。バーンスタインは「デジタルドルの再膨張」が始まったと分析。発行元サークルの目標株価を140ドルに据え置いた。

6カ月にわたる停滞を経て、USDCが再び動き始めた。
調査会社バーンスタインは、ステーブルコイン「USDC」を発行するサークルについて、今後12カ月で新たな成長局面に入る可能性があるとの強気な見方を示した。
バーンスタインが月曜日に公表した調査レポートによると、USDCの供給量はわずか7日間で約20億ドル(約3185億円)増加した。供給量が横ばい、あるいは減少していた過去6カ月の流れを一気にひっくり返した格好だ。
同社は、この動きを「デジタルドルの再膨張」と表現している。
サークル(CRCL)株については「アウトパフォーム」の投資判断を維持し、目標株価を140ドル(約2万2300円)に設定した。現在の株価から、なお約60%の上昇余地がある計算だ。
もっとも、サークル株はすでに動き出している。過去1カ月だけで約40%上昇した。
暗号資産市場の回復だけではない
バーンスタインが見込む次の成長局面を支える材料は、一つではない。
暗号資産市場の勢いが戻りつつあることに加え、米国で規制の輪郭が明確になってきたこと、資本市場のトークン化、そして決済手段としてのステーブルコイン普及が追い風になるという。
さらに見逃せないのが、AIエージェントによる決済だ。バーンスタインのアナリストは、人工知能が人間に代わって取引を実行する場面で、ステーブルコインが使われ始めている兆候も指摘した。
USDCは時価総額で見ると、依然としてテザーのUSDt(USDT)に大きく引き離された世界第2位のドル連動型ステーブルコインだ。
しかし、取引の実態を見ると景色が変わる。
バーンスタインによれば、調整後のステーブルコイン取引高に占めるUSDCの割合は、2025年の約40%から、2026年に入って60%超へ上昇した。この指標では、ついにUSDtを追い抜いたという。

Stablecoin transaction volume has grown significantly this year. Source: Bernstein
上場後、乱高下を続けたサークル株
サークル株の歩みは、決して平坦ではなかった。
同社は2025年6月に上場。新規株式公開(IPO)では1株31ドル(約4940円)で株式を売り出し、約11億ドル(約1752億円)を調達した。
上場直後には株価が急騰したものの、暗号資産市場全体の低迷が関連上場企業を直撃。2025年11月には、株価がIPO価格付近まで押し戻された。
それでも足元の業績は拡大している。
直近の四半期決算で、サークルは売上高7億100万ドル(約1116億円)、純利益4800万ドル(約76億円)を計上した。いずれも前年同期を上回った。
USDCの供給量が再び増え始めたことで、サークル株は上場後の乱高下を抜け出せるのか。バーンスタインは、その答えを「イエス」とみている。

