
ジェミナイ、暗号資産「予測市場」を証券会社に提供へ エイペックス提携で数千万人に接点
暗号資産取引所ジェミナイは、金融インフラ大手エイペックスとの提携に向けて基本合意を結んだ。実現すれば、将来の出来事の結果を売買する「予測市場」が、証券会社を通じて数千万人の投資家に広がる可能性がある。

暗号資産取引所ジェミナイが、予測市場の本格拡大に打って出る。
ジェミナイとエイペックス・フィンテック・ソリューションズは、法的拘束力を持たない基本合意書に署名した。計画では、エイペックスの先物取次業者(FCM)を通じて証券会社が提供する暗号資産関連のイベント契約について、「ジェミナイ・タイタン」を独占的な規制市場とする。
提携が実現すれば、参加する証券会社は、取引の執行と清算にジェミナイの基盤を利用することになる。ジェミナイにとっては、予測市場の商品を証券会社の顧客へ届ける、新たな販売網を手に入れる格好だ。
エイペックスは、数百社に上る金融機関へ取引・清算インフラを提供している。同社によれば、これらの金融機関が抱える投資家は数千万人に達する。
一方のジェミナイも、規制下での予測市場事業を着々と築いてきた。2025年12月には、米商品先物取引委員会(CFTC)から指定契約市場としての運営認可を取得。今年4月には、デリバティブ取引を自社で清算する承認も得ている。
両社の関係は今回が初めてではない。ジェミナイが7月に始めた手数料無料の米国株取引サービスでは、エイペックス・クリアリングが資産の保管と清算を担っている。
ただし、予測市場を取り巻く空気は決して穏やかではない。米国では、州レベルで法的圧力が強まっているためだ。
直近では、ワシントン州の裁判官が予測市場大手カルシに対し、州内で幅広いイベント契約の提供を停止するよう命じた。カルシ側は「連邦商品法は州の賭博法に優先する」と主張したが、裁判所はこれを退けた。
巨大な証券インフラを入り口に、予測市場を一般投資家へ広げようとするジェミナイ。その思惑通りに事が運ぶかどうかは、皮肉にも規制当局と裁判所の「予測しにくい判断」に左右されることになりそうだ。

