
米国、イランの暗号資産取引所ビットバンクを制裁 ホルムズ海峡のビットコイン決済を問題視
米財務省は、イランの暗号資産取引所ビットバンクを制裁対象に指定した。ホルムズ海峡を通過する船舶から受け取ったビットコイン決済を、イラン革命防衛隊(IRGC)への資金移転に利用していたと主張している。

米当局は18日、イランの暗号資産取引所ビットバンクに対する制裁を発表した。同取引所が、ホルムズ海峡を通過する船舶から支払われたビットコインを処理していたと米当局は主張している。
米財務省外国資産管理局(OFAC)によると、ホルムズ・セーフ・マリン・サービス・オーソリティは6月時点で、受け取った決済をイラン革命防衛隊(IRGC)に移すためにビットバンクを利用していたという。米財務省は、これがイランの資産家ババク・ザンジャニが数億ドル相当のビットコインをIRGCへ移転するために構築した仕組みの一部だったと主張している。
米財務省はこれまでにも、ホルムズ・セーフについて、IRGCの支援を受けた計画の一部だと主張していた。この計画では、船舶に対してホルムズ海峡を通過するための海上保険への加入を強制し、その保険にはイラン自身による拿捕への補償も含まれていたという。
「今回のイランのデジタル資産インフラに対する指定により、暗号資産を使ってイラン政権に資金を供給する取り組みがOFACの手の届かないところにあるわけではないことが明確になった」と、米財務長官スコット・ベッセント氏は述べた。
今回の制裁は、デジタル資産取引所への制裁などを通じて、イランを国際金融システムから孤立させようとする米財務省の最新の措置となる。
OFACの制裁対象には、ビットバンクのほか、同取引所の開発企業ピシュタズ・シモルグ・エレクトロニック・トレード・カンパニー、ザンジャニ氏の関係者3人が含まれる。米財務省はこれらを「イラン政権によるデジタル資産を利用した制裁回避インフラの主要な構成要素」と位置付けている。
Cointelegraphはビットバンクにコメントを求めたが、記事公開時点で回答は得られなかった。
なお、今回制裁対象となったイランのビットバンクは、日本で2014年に設立され、完全なライセンスを取得している暗号資産取引所「ビットバンク株式会社」とは別の企業だ。ビットバンク株式会社は6月にSBIホールディングスに買収されている。米財務省の指定では、今回のビットバンクは2024年に設立されたとされている。
8月には米国が、イランの暗号資産取引所シェルビットとアバン・テザーを制裁対象に指定し、イラン政権による制裁回避を支援したと非難した。
さらに6月には、イラン最大の暗号資産取引所ノビテックスを含む4つの暗号資産取引所にも制裁を科している。
7月には米政府が、イランに関連するウォレットで保有されていた1億3000万ドル超(約203億円)のUSDt(テザー)の凍結を命じた。
イランは、金融規制の強化による影響を抑えようとしていると報じられている。今月初めにはフィナンシャル・タイムズが、米国による制裁が強まる中、イラン中央銀行が企業に海外で得た収益を国内に戻すよう促すため、外貨規制を緩和したと報じた。暗号資産の利用もその手段の一つとされている。

