
暗号資産規制に“縦割り行政”の穴 米GAOがFDICに連携強化を迫る
米政府説明責任局(GAO)が、FDICを含む規制当局の“連携不足”に警鐘を鳴らした。ブロックチェーンリスクに対応するための「継続的な調整メカニズム」が欠けているというのだ。

米政府説明責任局(GAO)は、連邦預金保険公社(FDIC)に対し、ブロックチェーン技術がもたらすリスクに対応するため、他の連邦機関との連携に本腰を入れるよう求めた。
GAOは6月8日付でFDICのトラビス・ヒル議長宛てに送った書簡を、月曜日に公表した。書簡によれば、GAOは昨年5月の時点で、FDICに対する優先勧告事項を提示しており、その中にはブロックチェーン技術リスクへの対応も含まれていたという。
GAOは、ブロックチェーン技術を自らの「ハイリスク・リスト」に載せている懸念分野だと説明する。理由は明快だ。規制当局が、ブロックチェーンを基盤とする金融商品を十分に監督できておらず、それらが米国市場にもたらし得るリスクの把握にも苦慮している、と見ているからである。
昨年成立した「ジーニアス法」の下では、FDICは、自らが監督する銀行の子会社であるステーブルコイン発行体に対する主要規制当局となっている。一方、米上院では現在、より広範な暗号資産市場について、連邦機関がどのように規制するかを定める法案の成立が模索されている。

Source: U.S. GAO
IGAOはヒル議長宛ての書簡で、2023年の調査において、金融規制当局には「ブロックチェーンリスクに対応するための継続的な調整メカニズムが欠けていた」と指摘した。その間にも、「ブロックチェーン関連の金融商品・サービスは大幅に拡大している」という。
GAOはこう続ける。
「われわれが勧告したようなメカニズムを確立することにより、FDICおよび他の規制当局は、リスクを共同で特定し、適時に規制上の対応を策定・実施できるようになる」
さらにGAOは、FDICに対し、銀行を担当するケースマネージャーを定期的に交代させることも求めた。銀行セクターへの監督をより強化するためだ。
GAOによれば、2024年の調査で、FDICは監督担当者に対して別の銀行へのローテーションを義務づけていないことが判明した。これは「監督者の独立性を損ない、監督結果に影響を与える可能性がある」という。ローテーション要件を設ければ、「独立性への脅威を軽減できる」とGAOは見ている。
GAOはまた、2023年に暗号資産業界やテック業界と結びつきの深かった複数の銀行が破綻したことについて、銀行監督当局が金融機関に対し「監督上の懸念を速やかに是正させる」ために十分な対応を取っていたのか、疑問を投げかけた。
シリコンバレー銀行、シルバーゲート銀行、シグネチャー銀行はいずれも暗号資産業界へのエクスポージャーが大きかった。3行は2023年3月、FTX破綻の余波で暗号資産市場が急落する中、わずか1週間足らずの間に相次いで破綻した。

