
スペースX株を暗号資産で買える時代に、RWAトークン化が急拡大
暗号資産市場が揺れる中でも、トークン化RWAは急拡大を続けている。クラーケンはスペースXのIPOに連動する「xStocks」を開始。予測市場はオンチェーン・ギャンブルの取引量を上回り、サム・バンクマン=フリードはトランプ大統領に恩赦を求めた。

暗号資産価格は今年に入り、マクロ経済のヘッドラインや規制をめぐる不透明感に振り回され続けてきた。だが、その中で数少ない成長ストーリーとして存在感を保っている分野がある。トークン化だ。
現実資産、いわゆるRWA(リアルワールドアセット)のトークン化は勢いを増し、銀行はブロックチェーン基盤の導入に前向きになり、トークン化株式は新たな市場へと広がり始めている。
その勢いを象徴する出来事が今週あった。暗号資産取引所クラーケンが、待望されるスペースXのIPOにトークン化された形でアクセスできるサービスを開始したのだ。対象となる110以上の市場の適格ユーザーは、「xStocks」を通じて参加の機会を得られる。
一方、予測市場は初めてオンチェーン・ギャンブルの取引量を上回った。そして、FTX元CEOのサム・バンクマン=フリードは、ドナルド・トランプ米大統領に対し、正式に恩赦を求めた。
暗号資産市場の低迷下でも、RWAトークン化は成長を続ける
暗号資産市場が軟調に推移する中でも、トークン化されたRWAは着実に存在感を増している。
バイナンス・リサーチによれば、アクティブなトークン化RWA市場は2025年初頭から589%急拡大した。債券とマネー・マーケット・ファンドは65億ドル、約1兆411億円の価値を積み増し、トークン化株式は422%の伸びを示した。
この分野は、単に規模を拡大しているだけではない。中身も多様化している。オンド・グローバル・マーケッツのようなプラットフォームはトークン化株式への需要を押し上げ、投資家が安全資産を求めた今年前半には、トークン化された貴金属も15億ドル、約2,403億円増加した。
同時に、伝統的な金融機関もブロックチェーンへの取り組みを広げている。エイペックス・グループによるトークン化ファンドサービスから、ザ・クリアリング・ハウスが計画するトークン化預金ネットワークまで、採用の波はもはや暗号資産ネイティブ企業だけのものではなくなりつつある。

RWA growth by asset. Source: Binance Research
スペースXのIPOがトークン化された
暗号資産取引所クラーケンは、110以上の市場の適格ユーザーに対し、「xStocks」を通じてスペースXのIPOにアクセスする機会を提供した。これにより投資家は、イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業の株式を、上場前にトークン化された形で購入できるようになる。
クラーケンによれば、割り当てを受けた投資家には「SPCXx」が発行される。これは原資産となる株式に1対1で裏付けられたトークン化表現であり、参加プラットフォーム上で24時間365日取引できるという。
今回の開始は、トークン化株式への需要が加速する中で実現した。スペースXはナスダック上場に際し、750億ドル、約12兆135億円の調達を目指している。報道によれば、公募前の段階で需要は募集額の約4倍に達しており、実現すれば史上最大のIPOとなる可能性がある。
予測市場、オンチェーン・ギャンブルを初めて上回る
ブロックチェーン分析企業TRMラボによれば、2026年第1四半期、予測市場の取引量は初めてオンチェーン・ギャンブルを上回った。予測市場の取引量は366億ドル、約5兆8,626億円。これに対し、ギャンブルは140億ドル、約2兆2,425億円だった。
この節目は、両分野が2025年に年間取引量500億ドルを突破した後に訪れたものだ。急成長ぶりを改めて示す結果となった。
とはいえ、暗号資産ギャンブルの勢いが失われたわけではない。暗号資産市場全体が調整する中でも、四半期ベースの賭け金は過去最高圏にとどまっている。TRMはその理由について、忠実で拡大を続けるユーザー基盤の存在を挙げている。
いわゆる「ハイローラー」は、1回あたり平均1万3,558ドル、約217万円を賭け、生涯の賭け金は平均37万8,000ドル、約6,055万円に上る。依然として取引量の大部分を占めるのはこうした大口ユーザーだ。
しかし、最も速い成長を見せているのは、カジュアルな賭け手や日常的に利用するユーザーである。参加者層の広がりが、この分野全体を押し上げている。

Prediction markets eclipse onchain gambling for the first time. Source: TRM Labs
サム・バンクマン=フリード、トランプ氏に恩赦を求める
FTX元CEOのサム・バンクマン=フリードは、ドナルド・トランプ米大統領に対し、大統領恩赦を正式に申請した。数十億ドル規模に及んだ暗号資産取引所FTXの破綻をめぐる有罪判決を覆すため、新たな法的手段に打って出た格好だ。
この申請は、米司法省恩赦担当官室が公開する係属中の恩赦申請リストに掲載されている。
バンクマン=フリードは、2023年の詐欺罪での有罪判決と禁錮25年の刑をめぐって控訴を続けている。別途求めていた再審請求はすでに退けられており、今回の恩赦申請は、窮地に立つ元暗号資産界の寵児に残された、もう一つの道ということになる。
ここ数カ月、同氏はSNS上でトランプ氏寄りとも受け取れる投稿を相次いで行っている。もっとも、トランプ大統領は以前、元暗号資産経営者であるバンクマン=フリードを恩赦するつもりはないと述べていた。

Sam Bankman-Fried’s pardon request. Source: Office of the Pardon Attorney

