
ビットコイン不調でもステーブルコインは爆伸び 6月取引量290兆円で過去最高、Visaが明かす
ステーブルコインは成熟期に入りつつあり、市場の進化とともに、さらなる普及拡大が見込まれる――暗号資産リサーチャーのニック・ラック氏はそう指摘する。

ステーブルコインの取引量が、ついに過去最高を更新した。
決済大手ビザによれば、6月の調整後ステーブルコイン取引量は1兆7900億ドル、日本円にして約290兆円に達した。5月の1兆1000億ドル、約178兆円から63%増という急伸ぶりだ。
ビザの「オールリウム」搭載ステーブルコイン分析ダッシュボードによれば、6月の取引量は、これまでの最高記録だった2月の1兆7800億ドル、約288兆円を上回った。前年同月比では125%増となる。
グレースケールのリサーチ責任者ザック・パンドル氏は日曜日、こう述べた。
「2026年6月は、2月をわずかに上回り、ステーブルコイン取引量においてまたしても記録的な月となった」
ステーブルコイン取引量の急増は、決済、分散型金融、国境をまたぐ送金といった現実世界での利用が広がっていることを示している。暗号資産インフラが成熟するなか、投機相場とは別のところで、ステーブルコインが業界の主役になりつつあるというわけだ。
しかもこれは、暗号資産市場全体が弱気相場にあるなかで起きている。価格が冴えない局面でも、ステーブルコインだけは着実に使われている。その事実は重い。
取引量ではUSDCが圧倒
時価総額で最大のステーブルコインはテザーのUSDTだ。しかし、取引量で見ると主役はサークルのUSDCだった。
ビザによれば、6月のステーブルコイン取引量の約67%をUSDCが占めた。その額は1兆2100億ドル、約196兆円にのぼる。一方、USDTの取引量は5760億ドル、約93兆円で、全体の約32%だった。
取引量で第3位となったのは、ペイパルのPYUSDだ。6月の取引量は24億2000万ドル、約3920億円だった。

There was just under $1.8 trillion in adjusted stablecoin transaction volume in June. Source: Visa
6月にステーブルコイン取引で最も使われたネットワークは、コインベースのイーサリアム・レイヤー2ネットワーク「ベース」だった。取引量は5650億ドル、約91兆6000億円で、全体の31.5%を占めた。
これに僅差で続いたのがイーサリアムで、取引量は5620億ドル、約91兆1000億円。3位はトロンで、3200億ドル、約51兆9000億円だった。全体の約18%にあたる。
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ビザは、アルテミス、オールリウム・ラボ、キャッスル・アイランド・ベンチャーズと協力し、調整後取引量の算出手法を開発している。高頻度取引ボット、取引所の財務リバランス、スマートコントラクトの反復取引といった「ノイズ」を取り除き、より実態に近いステーブルコイン利用を把握するためだという。

一方で、混み合うステーブルコイン市場には新たなプレイヤーも参入している。オープン・スタンダードは火曜日、オープンUSD(OUSD)を発表した。ビザやマスターカードを含む140社以上の決済、銀行、テクノロジー、暗号資産関連企業が支援している。
ステーブルコイン成熟で、この流れは続くか
LVRGリサーチのディレクター、ニック・ラック氏はコインテレグラフに対し、今回の過去最高記録は、暗号資産市場全体が弱気相場にあるなかでも、ステーブルコインが強靭性を示していることの表れだと語った。
「今回の急増は、ステーブルコインが価値移転、流動性供給、分散型金融活動における不可欠なインフラとして役割を拡大していることを示している。しかもそれは、投機的な価格変動とは独立して継続している」
ラック氏は、ステーブルコインが「Web3経済の基盤レイヤー」へと成熟していくなかで、この流れは今後も続くと予測している。市場が進化するにつれ、ステーブルコインの利用範囲はさらに広がる可能性があるという。

