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Yohan Yu編集者Sam Bourgi監修ライター

「銀行預金が根こそぎ消える」──ステーブルコイン急拡大にECB幹部が緊急警告 デジタルユーロ導入のウラ側

最新ニュース公開日2026年7月21日

スマホ決済に手数料も顧客データも奪われ、いまや欧州の銀行は"じり貧"状態。そこへ追い打ちをかけるのが暗号資産の一種「ステーブルコイン」の急拡大だ。欧州中央銀行(ECB)の理事が異例の警鐘を鳴らし、「デジタルユーロ」導入へ本腰を入れ始めた。その知られざる思惑に迫る──。

欧州中央銀行(ECB)の理事を務めるピエロ・チポローネ氏が、ステーブルコインの普及が広がれば、市中銀行(コマーシャルバンク)の個人向け預金基盤が切り崩されかねない、と警告を発した。

同氏がこの発言を行ったのは金曜、ローマで開かれたイタリア協同組合信用銀行連盟(フェデルカッセ)向けの講演の場だ。チポローネ氏は、デジタル決済が銀行のあり方を根底から塗り替えつつあり、欧州が域外の決済インフラへの依存を年々深めている、と危機感をあらわにした

チポローネ氏によれば、銀行はすでにモバイル決済事業者に、決済手数料と取引データをジワジワと奪われているという。そのうえで、デジタルユーロこそが決済システムにおける銀行の"生き残り"を支える切り札になると付け加えた。

「デジタルユーロは、公的マネーの役割を守ると同時に、銀行が顧客のニーズに応え続けながら決済エコシステムに関与し続けることを保証するものだ」とチポローネ氏は語った。

火曜には、ECBが銀行、フィンテック、決済関連企業を含む36の決済サービス事業者(ペイメント・サービス・プロバイダー)を選定。2027年下半期に始まる予定の、12カ月間にわたるデジタルユーロ実証実験(パイロット)に参加させると発表した。

このプロジェクトの狙いは、発行に踏み切るか否かの最終判断を下す前に、個人向けの中央銀行デジタル通貨(CBDC)がユーロ圏全体でどう機能しうるのかを、あらかじめ検証しておくことにある。ECBは、その発行が早ければ2029年にも実現しうる、との見通しを示している。

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