
リップル創業者マネーが上院議員の息子へ 暗号資産規制法案の裏で深まる「利益相反」疑惑
米議会で暗号資産市場構造法案の倫理規定をめぐる交渉に関与するなか、キルステン・ギリブランド上院議員は、少なくとも1人の業界関係者が支援する息子のデリバティブ取引所について、「一切関与していない」と説明した。

リップル・ラボの共同創業者でエグゼクティブ・チェアを務めるクリス・ラーセン氏が、米上院議員キルステン・ギリブランド氏の息子が立ち上げた金融ベンチャーに出資していたと報じられた。しかもタイミングは、暗号資産関連の重要法案をめぐる交渉が、まさに上院で続いている最中である。
ポリティコが木曜日に報じたところによれば、ラーセン氏は、セオドア・ギリブランド氏が創業したアメリカン・パーペチュアルズ・エクスチェンジ・コーポレーション(APEC)を支援する少数の投資家の1人だった。ラーセン氏の具体的な出資額は報道に含まれていないが、投資家の大半はこのデリバティブ・プラットフォームに、それぞれ5000ドルから1万ドル、つまり約81万円から約162万円を出資していたという。APECは、合計で3000万ドル、約48億6000万円を調達したとされる。
この出資が注目を集めるのは、ニューヨーク州選出のギリブランド上院議員が、デジタル資産市場明確化法、いわゆるCLARITY法案の倫理規定をめぐる交渉に関与しているからだ。同法案は、リップルを含む米国で事業を展開する暗号資産企業に大きな影響を及ぼすとみられている。
ギリブランド氏は5月、倫理面への対応なしに同法案に賛成票を投じる者はいないとして、こう述べていた。
「真実はこうです。議員、高官、大統領、副大統領が、インサイダーとしての立場を利用して、こうした業界から利益を得ることを許してはならない。これは、見返り政治の最悪の形です」
同上院議員の報道官は、コインテレグラフに対し、6月18日の声明を参照するよう回答した。その声明でギリブランド氏は、自身の息子について「独立して自分のビジネスを始めた成人した大人」であり、「私は一切関与していない」と説明している。
コインテレグラフはAPECにもコメントを求めたが、すぐには回答を得られなかった。
民主党議員らは、議会で多数派を握る共和党に対し、CLARITY法案に倫理規定を盛り込む取り組みを支持するよう求めてきた。その背景には、ドナルド・トランプ米大統領と暗号資産業界とのつながりがある。
上院共和党指導部は、同法案が7月中に上院を通過することを見込んでいる。シンシア・ルミス上院議員は6月、議員らが交渉の一環として「倫理、分散型金融、不正取引について少し作業を進めている」と述べていた。

Source: Senator Elizabeth Warren
上院共和党は議席数でわずかに多数派を占めている。しかし、CLARITY法案を通過させるには60票の賛成が必要となるため、一定数の民主党議員の支持が不可欠となる。
CLARITY法案、議会日程が狭める「可決の窓」
米上院議員らは、独立記念日の休暇に伴い、現在は州内活動期間に入っている。上院は7月13日に再開予定だが、8月には再び1カ月間の州内活動期間に入る。
そのため、米国の選挙日を前に、暗号資産市場構造法案を通すための時間は刻一刻と狭まっている。選挙が近づけば、審議はさらに遅れる可能性が高い。
リップル共同創業者による上院議員の息子のベンチャー支援。本人たちは「関与なし」と線を引くが、業界のルールを作るワシントンで、暗号資産マネーと政治の距離感が再び問われている。

