
ペンシル・ファイナンス、1.56億円の学生ローンをオンチェーンで完結 東南アジアの約6600人を支援
学生ローンを対象とするRWAプロトコルのペンシル・ファイナンスが、100万ドル規模の融資サイクルをブロックチェーン上で完了した。支援対象の93%は低所得世帯の出身者。既存の金融機関が拾い切れなかった学生たちに、オンチェーン融資は新たな道を開くのか。

学生ローンを扱う現実資産(RWA)プロトコルのペンシル・ファイナンスが、100万ドル(約1億5600万円)規模の学生ローンについて、初の完全オンチェーン融資サイクルを完了した。
舞台となったのは東南アジアだ。従来の金融機関から十分な融資を受けられなかった学生数千人に、資金を届けたという。
同社の発表によると、ペンシル・ファイナンスは貸し手として100万ドルを投入。その後、借り手から返済された元本と利回りを、融資パッケージの資金提供者に還元した。融資から返済、投資家への分配まで、その一連の流れをブロックチェーン上で完結させた格好だ。
この融資パッケージに資金を拠出したのは、アニモカ・ブランズ、オープン・キャンパス、ニュー・キャンパスの3社。資金調達は2025年7月に行われた。
商品は二つの層に分けられている。一つは固定リターンを受け取る「シニア・トランシェ」。もう一つはリターンが変動する一方、損失が発生した際に最初に負担する「ジュニア・トランシェ」だ。
100万ドルのオンチェーン融資は、東南アジアにある学校・大学118校、約6600人の学生を対象とした。ペンシル・ファイナンスは、学生ローンの記録をブロックチェーン上で透明に管理し、融資サイクル全体をオンチェーンで完了した事例としては「世界初」だとしている。
対象となった約6600人のうち、約1050人が直接資金を受け取った。
数字を見ると、この融資が誰に向けられたものなのかが浮かび上がる。借り手の50%は女性で、実に93%が低所得世帯の出身者だった。銀行など従来型の貸し手から取り残されてきた学生を、主な対象として設計したという。
トークン化されたRWAは今や、融資を組成したり、担保として活用したりする手段として存在感を増している。
7月には、ブラジルのB3証券取引所が、トークン化された牛10頭を担保とする融資を実行した。融資額は10万ブラジルレアル(1万9600ドル、約306万円)だった。
牛にはそれぞれ、暗号化されたデジタルIDとひも付く固有のデジタルトークンを発行。さらに農業テック企業カウメッドのAI搭載スマート首輪を使い、個体ごとの健康状態を監視する仕組みが採用された。
学生ローンから牛まで――。これまで紙の契約書や閉じたデータベースの中にあった「現実の資産と信用」が、ブロックチェーン上へ移り始めている。

