
ロンドン証券取引所とクラーケン、英国株のトークン化取引へ 2027年に「LSE 24」で開始
ロンドン証券取引所(LSE)が、暗号資産取引所クラーケンと組み、英国株の値動きに連動するトークン化株式の取引を2027年から開始する。舞台となるのは、平日ほぼ24時間取引できる新市場「LSE 24」だ。ナスダックやニューヨーク証券取引所(NYSE)陣営も同様の取り組みを進めており、株式市場の「24時間化」とトークン化をめぐる競争が本格化している。

ロンドン証券取引所(LSE)が、暗号資産取引所クラーケンと手を組む。狙うのは、英国株の「トークン化」だ。
LSEはクラーケンの親会社ペイワードと提携し、英国を代表する株式商品の価格に連動するトークン化株式へのアクセスを2027年から提供する計画だ。ペイワードの最高商務責任者(CCO)、マーク・グリーンバーグ氏がフィナンシャル・タイムズに明らかにした。
トークン化された株式は、LSEが新たに立ち上げる夜間取引市場「LSE 24」に上場する予定だ。
LSEが7月21日に発表した計画によれば、LSE 24は月曜日から金曜日まで、週5日・ほぼ24時間の取引に対応する。
株式市場といえば、取引所が開いている時間に売買する――。そんな常識も、いよいよ過去のものになりつつある。
今回の取り組みにより、LSEもブロックチェーンを利用した株式商品の提供に乗り出すことになる。トークン化すれば、株式を24時間取引したり、1株未満の小口単位で保有したりすることも可能になる。
こうした動きを進めているのはLSEだけではない。ナスダック、CMEグループ、さらにニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)など、伝統金融(TradFi)の大手が相次いでトークン化株式市場に足を踏み入れている。
ナスダックは8月、24時間取引が可能なトークン化市場への進出を加速させるため、米国で取引高3位の代替取引システムを運営するレベル・マーケッツの買収で合意した。
伝統金融大手、トークン化株式への参入加速
世界最大級の金融機関や取引所も、トークン化株式を次の成長市場とみて動き始めている。
時価総額で世界2位の証券取引所であるナスダックは3月、ペイワードおよび同社傘下のバックドと提携した。バックドはトークン化株式サービス「xStocks」を発行する企業だ。
両社は、従来型株式とトークン化株式を結ぶ「エクイティ・トランスフォーメーション・ゲートウェイ」の開発を進めている。
この計画は、ナスダックが2025年9月に米証券規制当局へ提出した株式トークン化に関する規則変更案をさらに発展させるものだ。
その約1週間前には、NYSEの親会社ICEが暗号資産取引所OKXに出資。NYSE上場銘柄をトークン化し、2026年第2四半期からOKXで提供する計画を進めている。
ドイツでも動きがある。
ドイツ取引所は4月、ペイワードに2億ドル(約319億円)を出資した。
ドイツ取引所は、より幅広いブロックチェーン証券やトークン化投資商品へのアクセスを提供する方針で、クラーケンとの既存の提携関係をさらに拡大する狙いだ。
デリバティブ取引高で世界最大のCMEグループも、暗号資産市場との距離を急速に縮めている。
CMEは1月、カルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)、ステラ(XLM)に連動する暗号資産先物を上場する計画を発表した。
さらに3カ月後には、規制当局の承認を条件として、アバランチ(AVAX)とスイ(SUI)の先物についても5月4日から追加する計画を明らかにしている。

Tokenized stocks, total value onchain, all-time chart. Source: RWA.xyz
トークン化株式市場は急拡大
トークン化株式そのものの市場規模も、足元で急速に膨らんでいる。
データプロバイダーのRWA.xyzによると、オンチェーン上に存在するトークン化株式の総額は過去30日間で15%増加し、25億3000万ドル(約4041億円)に達した。
さらに、トークン化株式を保有する投資家の数は同期間に153%増え、245万人となった。
株式をブロックチェーン上に載せ、曜日や時間、さらには「1株」という単位にも縛られずに売買する――。
暗号資産取引所が先行してきたこの仕組みに、LSEやナスダック、NYSEといった伝統金融の巨人が次々と参入している。
「株は取引所が開いている時間に買うもの」という従来の市場構造が、2027年に向けて大きく変わる可能性が出てきた。

