
米下院委、暗号資産税制法案を38対5で可決 ステーブルコインやマイニングも対象
米下院歳入委員会が、暗号資産の税制を見直す「デジタル資産税制確実性法案」を38対5で可決した。ステーブルコインやマイニング、ステーキング、暗号資産レンディングなどを対象とし、10ドル以下の一部ネットワーク手数料や取引手数料について、利益・損失の認識を不要とする措置も盛り込んでいる。

米国で、暗号資産の税制を見直す法案が前進した。
米下院歳入委員会は9月16日、超党派の支持を得て「デジタル資産税制確実性法案(Digital Asset Tax Certainty Act)」を38対5で可決した。
法案は、ステーブルコイン、マイニング、ステーキング、デジタル資産のレンディング、取引手数料など、幅広い暗号資産関連の活動を対象とする。
中でも、一定の米ドル連動型ステーブルコインや一部の暗号資産レンディング契約について、特別な税制上の取り扱いを設ける。また、広く取引されているデジタル資産にもウォッシュセール・ルールを適用し、マイニングやステーキング収入についても新たな課税ルールを設ける。詳細は法案の税制規定に盛り込まれている。

Source: Ways and Means Committee
さらに、一定の暗号資産のネットワーク手数料や取引手数料について、「デミニミス(少額)免税」を導入する。
対象となる手数料が10ドル(約1560円)以下であれば、暗号資産で支払った際に生じる利益や損失を税務上認識しなくて済む仕組みだ。
委員会での可決を受け、法案は今後、下院本会議で審議される。
CLARITY法案の停滞で規制当局に注目
今回の採決は、米上院で暗号資産市場の包括的な規制を定めるCLARITY法案が前進できなかった翌日に行われた。
上院では9月15日、CLARITY法案を本会議での審議に進めるためのクロージャー動議が49対50で否決された。法案を前に進めるには60票が必要だった。Cointelegraphも採決を報じている。
CLARITY法案をめぐっては、シンシア・ルミス上院議員が採決後、民主党を批判した。
ルミス氏はXへの投稿で、民主党は1年以上にわたって要求を続け、要求を満たすたびに新たな条件を提示してきたと主張。また、民主党が消費者保護や政治家の個人的な暗号資産投資に対する規制案にも反対票を投じたと述べた。
こうしたなか、米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は9月16日、法案が成立するかどうかにかかわらず、SECは既存の法的権限のもとで暗号資産規制を進める方針を示した。
アトキンス氏はXへの投稿で、米国の投資家や技術分野の起業家に確実性を提供するため、SECの法的権限内で「断固として」行動すると表明した。

Source: Paul Atkins
米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長も、上院の採決結果にかかわらず、既存の法的権限を使って規則策定を進める考えを示した。
セリグ氏はXへの投稿で、CFTCは「新たな金融のフロンティア」に向けた規則を策定する準備ができていると述べた。また、米国民には暗号資産市場での規制上の明確性、法的確実性、消費者保護が必要だとした。

Source: Mike Selig
CLARITY法案が上院で足踏みする一方、暗号資産の税制をめぐる法案は下院委員会で前進した。
ただ、今回の可決だけで法律になるわけではない。今後、下院本会議での審議を経る必要がある。

