
トランプ氏、ミームコイン「TRUMP」保有上位185人と夕食会 暗号資産めぐる批判再燃
ドナルド・トランプ米大統領が、自身のミームコイン「Official Trump(TRUMP)」の保有上位185人を対象とした夕食会に11月22日に出席する予定だ。トランプ氏による同様のイベントは今回で3回目。暗号資産事業への投資家が総額47億ドルの損失を抱えているとの報告から数週間後の開催となり、倫理面をめぐる批判も再び浮上している。

ドナルド・トランプ米大統領のミームコイン「Official Trump(TRUMP)」をめぐり、保有上位者を招いた夕食会が再び開催される。
TRUMPを運営するグループは、トランプ氏が11月22日に、保有上位185人を対象としたイベントに出席すると発表した。
イベントを告知するGetTrumpMemesのウェブサイトは10月1日、11月22日にワシントンDCのトランプ・ナショナル・ゴルフクラブで夕食会を開催すると発表した。
今回の夕食会は、トランプ氏がミームコイン保有者を集めるイベントとしては3回目となる。
これまでには、2025年5月にワシントンDCのトランプ・ナショナル・ゴルフクラブでTRUMP保有者220人を対象とした夕食会を開催。2026年4月には、フロリダ州にあるトランプ氏のマー・ア・ラゴで297人を招いた昼食会を開いている。
GetTrumpMemesのウェブサイトによると、11月22日のイベントでは、トランプ氏が3人の氏名非公表のゲストとともにDCのゴルフクラブに登場する予定だ。
参加者は、9月30日から11月12日までの期間におけるミームコイン保有状況を基に、上位185人が選ばれる。
8月には、非営利の消費者擁護団体パブリック・シチズンが、トランプ一族の暗号資産事業への投資家が2022年以降、合計で「47億ドル(約7380億円)の含み損を抱えている」と推計した。このうち32億ドル(約5020億円)がTRUMPによる損失だとしている。
市場データによると、夕食会の発表直後、TRUMPの価格は2.05ドルから約9%上昇し、一時2.23ドル(約350円)となった。
トランプ氏は2025年1月の大統領就任を控えた時期にミームコインを立ち上げた。TRUMPの価格は一時70ドル(約1万990円)まで急騰したものの、その後数日で20ドル(約3140円)を下回った。
記事執筆時点では、TRUMPは2.06ドル(約323円)で取引されていた。
ミームコイン夕食会、倫理面での懸念続く
最初のミームコインイベントをめぐっては、トランプ氏が「ペイ・トゥ・プレイ」と呼ばれる仕組みを通じて、大統領へのアクセスを売っているとの批判が相次いだ。
2025年5月の夕食会当時、TRUMPの最大保有者だったトロン・ネットワーク創設者のジャスティン・サン氏は、約1900万ドル(約30億円)相当のTRUMPを保有していた。
その後、トランプ氏が委員長を選んだ米証券取引委員会(SEC)は、サン氏との訴訟を1000万ドル(約15億7000万円)で和解した。
また、トランプ氏が2025年に提出した資産開示によると、同氏はTRUMPを含む暗号資産関連で14億ドル(約2198億円)の収益を報告している。
ホワイトハウスの報道官は、コメントを求めたCointelegraphに対し、イベント主催者に問い合わせるよう回答した。
パブリック・シチズンの共同会長ロバート・ワイズマン氏はCointelegraphに対し、夕食会について「最悪ではないケースでも、大統領職を利用した非倫理的かつ良心の呵責を欠いた利益追求だ」と述べた。
同氏は、「人々がミームコインを購入し、夕食会への参加を望むのは、トランプ氏が大統領だからだ」と指摘。そのうえで、「最悪のケースでは、これは大統領へのアクセスを得るためのペイ・トゥ・プレイだ。トランプ氏のミームコインに十分な金額を使えば、米国大統領に好ましい政策や法執行措置、あるいは何らかの便宜について耳打ちする機会を得られるかもしれない」と述べた。
クリス・クーンズ上院議員も木曜日、Blueskyへの投稿で、このミームコインイベントを「汚職」と呼んだ。
トランプ氏の暗号資産事業、暗号資産市場法案にも影響か
今回のTRUMP夕食会の発表は、米上院議員らが「デジタル資産市場の明確化法(CLARITY法)」の審議を前進させることに失敗してから、わずか数週間後の出来事となった。
CLARITY法は、暗号資産の監督や法執行をめぐり、金融規制当局の権限や指針を明確にすることを目的とした法案だ。
法案については、出席していた民主党議員全員が反対票を投じた。一部の議員は、トランプ氏が暗号資産業界から利益を得ていることに対応するには、法案に盛り込まれた倫理規定が不十分だと主張した。
エリッサ・スロットキン上院議員は9月15日にCLARITY法への反対票を投じた後、「トランプ大統領とその子どもたち、閣僚らは暗号資産業界で数十億ドルを稼いでいる。その一部は、一般の米国人から苦労して稼いだお金を巻き上げることで得られている」と述べた。
さらに、「公職者によるそうした行為を合法化する法案に、良心に従って賛成票を投じることはできない」とした。
上院がCLARITY法を扱える期間は、2027年に始まる次期議会まで限られている。
複数の世論調査では、民主党が下院と上院の多数派を獲得する可能性が示されており、共和党主導で進められてきた同法案の今後は不透明な状況となっている。

