
ビットコインはなぜ急落しやすくなったのか 1.3兆円ロング清算、ETF流出、買い手不足が市場を直撃
ビットコインとイーサの建玉は、83億5000万ドル(約1兆3466億円)にのぼるロング清算を受けて急減した。さらに、ETFからの資金流出、ストラテジーによる買い付けの鈍化、市場の板厚低下が重なり、流動性は一段と細った。

暗号資産市場は2026年第3四半期に入り、レバレッジは低下した一方で、流動性は細った状態にある。第2四半期には大規模なロスカットの波が投機的なポジションを洗い流したが、その裏で主要な需要の源泉も弱まっていた。
機関投資家向けデータプロバイダーのタロスによれば、第2四半期におけるビットコイン(BTC)とイーサ(ETH)のロングポジション清算額は合計83億5000万ドル、日本円で約1兆3466億円に達した。タロスは、このデレバレッジの動きが、現物ビットコインETFからの資金流出、ストラテジーによるビットコイン購入の鈍化、そしてステーブルコイン供給量の縮小と重なったと指摘している。
この“リセット”により、第3四半期入りした市場は以前より安定した状態になった。だが、タロスによれば、板の厚みが薄くなったことで、新たな売り圧力を吸収する力は弱まっている。つまり、強制売却が連鎖するような展開への耐性は高まった一方、大口注文を受け止める取引量が乏しいため、価格はなお激しく振れやすいというわけだ。

Cross-asset performance chart. Source: Talos
水曜日時点で、ビットコインは5万8656ドル、約946万円で取引されていた。この日は一時5万7742ドル、約931万円まで下落し、2024年9月17日以来の安値をつけた。
タロスによれば、今回の清算の波によって、市場に残るレバレッジ資金は大きく減少した。未決済デリバティブ契約の規模を示すビットコインの建玉は335億ドル、約5兆4025億円まで減少。第2四半期のピークから32%減った。イーサの建玉も162億ドル、約2兆6126億円と、40%の減少となった。
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Tもちろん、市場の流動性も落ち込んでいる。ビットコインの「2%板厚」、すなわち市場価格に近い買い注文と売り注文の規模は、5月初めには約7000万ドル、約112億9000万円あったが、6月下旬には3500万〜4000万ドル、約56億4000万〜64億5000万円にまで縮小した。現物取引所の出来高も前四半期比で28%減り、2兆3200億ドル、約374兆円となった。
ETF流出とストラテジーの買い鈍化が需要の重荷に
需要の弱さは、第2四半期が終わる前からすでに表面化していた。米国の現物ビットコインETFでは、6月25日の1日だけで6億9630万ドル、約1123億円の純流出を記録した。6月全体では流出額が約45億ドル、約7257億円に達し、年初来の累計流出額は55億ドル、約8870億円に膨らんだ。
ストラテジーの動きも鈍った。同社の開示によれば、6月のビットコイン購入量は約3600BTCにとどまった。5月は約2万5000BTC、4月は5万BTC超を買い付けていたことを考えれば、急ブレーキである。
さらに同社は6月上旬、32BTCの純売却も記録した。月末時点で同社の財務資産に組み入れられているビットコインは84万7363BTC。平均取得価格は1BTCあたり6万4103ドル、約1034万円だった。

