
ビットコイン価格はなぜ急騰? 7万7000ドル台を維持、金も14週ぶり高値──次は9万ドルか
ビットコインと金がそろって5月15日以来の高値を記録した。背景にあるのは、米政府による巨額の財政赤字と債務買い戻し策だ。予測市場では「年内9万ドル」の確率が48%まで上昇。一方、強気相場への転換には重要なハードルが残っている。

ビットコイン(BTC)は金曜日の米株式市場が始まった後も、7万7000ドル(約1222万円)を上回る水準で推移した。
この日の主役は、ビットコインだけではなかった。金も暗号資産相場の上昇に加わり、約14週間ぶりの高値をつけたのだ。
要点
- ビットコインと金は、対ドルでともに5月15日以来の高値を記録
- 市場関係者は、米政府の財政赤字と国債政策が上昇を後押ししたと分析
- ポリマーケットでは、ビットコインが2027年までに9万ドルへ到達する確率が48%に上昇
ビットコインと金の上昇は「驚くことではない」
トレーディングビューのデータによると、BTC/USDは5月15日以来の高値を記録した後、やや上昇が一服した。それでも、この日の上昇率は一時6%近くに達した。

BTC/USD one-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
金も同じ動きを見せた。1オンス=4632ドル(約73万5300円)まで上昇し、執筆時点の日中上昇率は2.2%となった。
月間ベースでは、BTC/USDが13%、XAU/USD(金価格)が16%それぞれ上昇している。

BTC/USD vs. XAU/USD one-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView
「いま金と暗号資産で起きていることは、驚くような話ではない」
市場分析メディアのコベイシ・レターは、Xへの投稿でそう指摘した。
コベイシ・レターによれば、貴金属と暗号資産が急騰した背景には、インフレ、財政赤字、そして米財務省の政策という“三つの火種”がある。
米政府は記録的な規模の財政赤字を続けている。そこへ米財務省が、一部の国債買い戻し額を少なくとも2倍となる40億ドル(約6350億円)に引き上げる方針を示した。これがビットコインと金の双方を押し上げたというわけだ。
米国だけではない 日本国債にも緊張のサイン
暗号資産取引会社QCPキャピタルは、金融市場のストレスが米国だけにとどまっていないと指摘する。
日本では今月、円をめぐる異例の共同為替介入が行われた後、日本国債の利回りが急上昇した。
QCPキャピタルは最新のマーケット分析で、次のように説明している。
今週、複数の資産市場で最も注目されたのは、米財務省の発表後に生じた値動きの違いだ。米国債は当初上昇したものの、その後は上げ幅の多くを失った。一方、ビットコインと金は同じ規模では値を戻さなかった。
さらに、こう続けた。
これだけで新たな流動性相場や金融環境が始まったとは断定できない。しかし、長期金利とドルの変化に対して、代替資産がいかに敏感であるかは浮き彫りになった。
つまり、投資家の一部が「米国債よりもビットコインや金のほうが安心できるのではないか」と考え始めた可能性がある。
ビットコイン「年内9万ドル」の確率は48%
ビットコイン価格は、わずか2日間で20%を超えて上昇した。これを受け、市場では年末までの上値目標に対する期待も急速に高まっている。
予測市場ポリマーケットでは、ビットコインが2027年までに9万ドル(約1429万円)へ到達する確率が、執筆時点で48%となった。週初めから大幅な上昇だ。

Odds of BTC/USD hitting $90,000 by Jan. 1, 2027 (screenshot). Source: Polymarket
本当に強気相場へ戻ったのか
もっとも、誰もが上昇相場の再開を信じているわけではない。
トレーダー兼アナリストのレクト・キャピタルは、ビットコインが50週指数移動平均線(EMA)の7万7232ドル(約1226万円)を明確に取り戻す必要があると強調した。
この価格帯は、ビットコインが1月にも跳ね返された因縁の水準だ。
レクト・キャピタルはXへの投稿で、こう警告している。
下降トレンドを突破すれば、ビットコインは新たな長期上昇トレンドに入ったことを確認できる。しかし、ここで再び跳ね返されれば、高値を切り下げる流れが続く。
そして最後に、強気一色となりつつある市場へ釘を刺した。
過去の値動きを見れば、下降トレンドが続く時間はまだ残されている。
ビットコインは復活したのか。それとも、これは長い下落局面の途中に現れた一時的な反発なのか。7万7000ドルをめぐる攻防が、その答えを決めることになりそうだ。

BTC/USD one-month chart. Source: Rekt Capital on X.com

