
リップルとコインベース支援のPAC、米民主党候補への反対広告に3億円超
コインベースとリップルを主要な資金源とするフェアシェイク系PACが、フロリダ州の民主党候補を落選させるための広告に200万ドル超を支出した。候補者本人は暗号資産政策で明確な立場を示しておらず、巨額支出の狙いは明らかになっていない。

コインベースとリップル・ラボを主要な資金源とする政治活動委員会(PAC)「フェアシェイク」の関連団体が、米フロリダ州の民主党候補を対象とした反対広告に200万ドル超(約3億1400万円超)を投じた。
ところが、広告が始まるまで、この候補がデジタル資産について目立った立場を示していた形跡はない。
米連邦選挙委員会(FEC)が火曜日までに公開した記録によると、フェアシェイク系の「プロテクト・プログレスPAC」は、フロリダ州第24選挙区に出馬している民主党候補オリバー・ギルバート氏への反対広告に、200万ドル超を支出した。
注目されるのは、PACが選挙戦に介入する以前、民主党予備選の候補者のうち、暗号資産政策を選挙運動の主要争点として掲げていた人物が見当たらなかったことだ。
ギルバート氏が立候補しているのは、現在フレデリカ・ウィルソン下院議員が持つ議席だ。
ウィルソン氏は連邦議会で、デジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)と、米国ステーブルコインの国家イノベーション指針・確立法(GENIUS法案)の双方に反対票を投じている。そのウィルソン氏が、ギルバート氏への支持を表明した。
一方、フロリダ州上院議員で民主党候補のシェブリン・ジョーンズ氏は、8月上旬に実施された世論調査でギルバート氏を上回っていた。
ジョーンズ氏は暗号資産擁護団体「スタンド・ウィズ・クリプト」の質問票にも回答しており、同団体から暗号資産を「強く支持する」との評価を得ている。
標的となったギルバート氏は、広告の背後に政治的な意図があると主張している。
同氏は報道に対し、広告を仕掛けたのは「ドナルド・トランプのテック業界の億万長者仲間たち」だと批判。「暗号資産詐欺師たちが民主党予備選をカネで買おうとしている」と述べた。
問題の広告には、暗号資産政策とは無関係の、偽の「マイアミ・ヘラルド」の見出しも使われていたという。
ウィルソン氏は6月22日に開かれたイベントで、ギルバート氏への支持を表明した。コインテレグラフはギルバート陣営にコメントを求めたが、記事掲載までに回答は得られなかった。
フェアシェイクの広報担当者は、コインテレグラフに次のように述べた。
「事実は事実だ。マイアミ・ヘラルドが報じた通り、われわれの広告の根拠となった事実は正しい」
一方、なぜギルバート氏への反対広告に巨額の資金を投じたのかについて、担当者はコメントしなかった。
フェアシェイクは1月時点で、1億9300万ドル(約303億円)の選挙資金を保有していると報告している。
同団体は、民主党候補を支援するプロテクト・プログレスと、共和党候補を支援するディフェンド・アメリカン・ジョブズという関連団体を通じ、2026年中間選挙の候補者に資金を振り向けてきた。
6月時点ですでに、予備選や特別選挙の広告に8200万ドル超(約129億円超)を投じており、広告を通じて有権者の投票行動に影響を与えようとしている。
2027年の議会勢力を左右する予備選
火曜日には、アラスカ、カリフォルニア、フロリダ、ワイオミングの各州で投票が行われる。有権者は、11月の本選挙に進む連邦議会候補を選ぶことになる。
プロテクト・プログレスPACは、フロリダ州第23選挙区のロイス・フランケル下院議員の再選を支援する広告にも、15万ドル超(約2360万円超)を支出した。
共和党候補を支援するディフェンド・アメリカン・ジョブズも、複数の候補を後押しする広告に合計150万ドル(約2億3600万円)を投じたと報告している。
支援対象となったのは、アラスカ州全州選挙区のニック・ベギッチ下院議員、フロリダ州第16選挙区の共和党候補シドニー・グルーターズ氏、ワイオミング州選出の上院議席を目指すハリエット・ヘイグマン下院議員だ。
2026年の予備選は、2027年1月に始まる次期連邦議会で、民主党が上下両院の支配権を奪還するのか、それとも共和党が多数派を維持するのかを左右する。
上下両院は9月まで休会に入っている。議会再開後には、上院でCLARITY法案の採決が行われる見通しだ。

