
米CFTC、議会の法整備なしでも暗号資産規制へ 新たな取引所制度を提案
米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、議会による法整備がなくても、トランプ大統領の指示に基づいて暗号資産規制を進める方針を表明した。暗号資産企業がCFTCの監督下で事業を展開できる新たな制度を提案した。

米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は、米議会による法整備がなくても、ドナルド・トランプ大統領の指示に基づいて暗号資産規制を進める方針を示した。
セリグ氏は月曜日、フォーダム・ロースクールのブロックチェーン規制シンポジウムで発表した規制案について、米国各州がそれぞれ異なる規制を設ける状況に対応する代わりに、暗号資産企業がCFTCの監督下で事業を展開できる選択肢を設けるものだと説明した。
イベントでの発言原稿によると、CFTCは「個人顧客に対し、証拠金取引やレバレッジ取引、資金調達を利用した暗号資産取引を可能にする」企業を対象とする規則制定案の事前通知を公表した。セリグ氏は、この規制を「CTX」と呼んでいる。
またCFTCは、「暗号資産市場(crypto asset market)」、略称「CAM」と呼ばれる新たな指定契約市場(DCM)のカテゴリーを設ける方針だ。これにより、一部の取引所は既存のDCMかCAMのいずれかとして登録できるようになる。
セリグ氏は、「これらの規則により、暗号資産取引所がCFTCによる全国一律の監督下で事業を展開する道筋が明確になる。前政権が執行による規制に利用していたものと同じ法的権限に基づくものだ」と述べた。

CFTC Chair Michael Selig on Monday.
Source: Fordham Law Blockchain Regulatory Symposium
ただし、今回の規制案は、セリグ氏が「一般的に州の資金移動業法の規制対象となっている」と説明する「通常の現物暗号資産取引所」には適用されない。
ビットコイン(BTC)などの暗号資産の現物取引を提供する企業については、CFTCが引き続き詐欺や相場操縦を取り締まる権限を持つことになる。
セリグ氏が示した暗号資産企業向けの規制枠組みは、米上院議員らが数週間前、デジタル資産市場明確化法(CLARITY法)の成立を進めることに失敗したことを受けたものだ。
CLARITY法は、CFTCに暗号資産の監督・執行に関する権限をより広く与えることが期待されていた。
一方、米証券取引委員会(SEC)はCLARITY法の採決が否決される前の8月、暗号資産を対象とする「特別な証券募集制度」の独自案をすでに発表していた。
これにより、両規制当局が、議会による法整備がなくても既存の法的権限を使って暗号資産規制を進めるとの見方が強まっていた。
セリグ氏は、トランプ大統領が「議会による法整備があろうとなかろうと」暗号資産の市場構造に関する規制を実現すると約束しており、規制当局は既存の法的権限を使ってその実現を支援すると述べた。
プロチェイン・キャピタルのデビッド・タウィル氏は月曜日の投稿で、「CLARITY法に反対した人々は、立法府による制約がない状況でも行動する用意が行政府にあるように見えることを、想定していなかったのかもしれない」と指摘した。
SECとCFTC、暗号資産規制を進める一方で人員不足
SECのヘスター・パース委員は金曜日、8年間の在職期間を終え、SECを退任した。2期目の任期延長が18カ月決まる直前の退任となった。
パース氏の退任により、SECを率いる委員は2人となった。またCFTCでは、セリグ氏が唯一の委員であり、同時に委員長を務めている。
ホワイトハウス当局者は先週、トランプ大統領が両規制当局の委員を「近いうちに」指名する意向だとコインテレグラフに明らかにした。
しかし月曜日時点で、政権はパース氏の後任や、その他6つの委員ポストについて、後任者を発表していない。

