
CLARITY法案頓挫で暗号資産株急落 サクソ「コインベースが最も打撃」
米国の暗号資産市場のルールを定める「CLARITY法案」が、上院の手続き投票で否決された。ビットコインや暗号資産関連株が軒並み値を下げるなか、デンマークのサクソバンクは「最も影響を受けるのはコインベースだ」と分析する。

米国の暗号資産業界に、冷や水が浴びせられた。
米上院で「デジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)」の審議が前に進まなかったことを受け、ビットコイン(BTC)や暗号資産関連株が急落した。そんななか、サクソバンクは、コインベースのような取引所こそが最も大きなものを賭けていると見ている。ルールが明確になれば、その取引事業に直接影響が及びかねないからだ。
サクソバンクのストラテジスト、ルーベン・ダルフォボ氏は水曜日のレポートで、コインベース(COIN)がクラリティ法案をめぐる動向の影響を最も直接的に受けると指摘した。市場構造に関するルールによって、登録要件や、どの資産が取引可能か、そして誰が米国の暗号資産市場に参加できるかが決まり得るためだという。
ダルフォボ氏はこう記している。
「取引や暗号資産への参加が事業に直結しているため、コインベースは市場ルールの明確化による影響を最も受けやすい」
一方で、ステーブルコイン発行企業のサークル(CRCL)と、ビットコインを大量に保有する「トレジャリー企業」のストラテジー(MSTR)は、事情が異なるとダルフォボ氏は言う。サークルの事業は、同社のステーブルコイン「USDC」の普及や、その準備金から得る利息とより密接に結びついている。対するストラテジーの業績を左右するのは、主にBTCの保有状況と資金調達の仕組みだというのだ。
とはいえ、市場はそうした違いを区別しなかった。
コインテレグラフが火曜日深夜に報じたとおり、上院の手続き投票の後、この3社の株価はいずれも5%から10%下落した。法案がそれぞれの事業に与える影響は異なるにもかかわらず、である。
売りは水曜日の朝方も続いた。ヤフー・ファイナンスのデータによれば、コインベース、サークル、ストラテジーの株価はいずれも2%から6%下落した。
狭まるCLARITY法案の道
クラリティ法案は火曜日、重要な手続き投票で否決された。法案審議入りの動議について討論終結(クローチャー)を発動するかどうかの採決で、賛成49、反対50。可決に必要な60票には遠く及ばなかった。この採決が通っていれば、それ以上の討論が制限され、上院は本会議での法案審議へと進めるはずだった。
最大の争点として残ったのは、倫理規定だ。公職者の暗号資産保有をめぐる懸念に対応するため、土壇場で譲歩案が示されたものの、溝は埋まらなかった。
今回のつまずきで、法案の年内成立への道は大きく狭まった。上院は11月3日の中間選挙を控えて立法日程が限られており、12月18日の閉会を目指している。現議会の会期が終わるまでに法案を復活させるには、議員たちに残された時間はあまりにも少ないのである。

