
CFTC、議会を待たず暗号資産規制へ CLARITY法案の停滞で8月20日に協議
米議会で暗号資産市場のルールを定めるCLARITY法案が足踏みするなか、CFTCが独自に規制整備を進める構えを見せた。SECも新ルールを検討しており、議会の“夏休み”を横目に二大規制当局が動き始めている。

議会が動かないなら、規制当局が先に動く――。
米商品先物取引委員会(CFTC)は、議会での法整備が進まない場合を見据え、暗号資産規制をどう進めるべきか検討する。政策課題について助言を受けるため、諮問委員会の会合を開くと発表した。
CFTCは木曜日の発表で、イノベーション諮問委員会の会合を8月20日に開催すると明らかにした。議題には、暗号資産、人工知能(AI)、予測市場に関する規制が並ぶ。
暗号資産をめぐっては、「将来の議会立法を規制措置によって補完できる分野」も話し合われる可能性がある。
念頭にあるのは、暗号資産市場の監督ルールを定める「デジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)」だろう。米上院は先週、法案を前進させないまま8月の休会に入った。
SECも“議会待ち”をやめる構え
動き出したのはCFTCだけではない。
米証券取引委員会(SEC)も、金曜日に会合を開催すると発表している。
議題には、「暗号資産を伴う一部の投資契約について、それぞれの性質に合わせた発行・募集制度を設けるための新ルール」が盛り込まれた。
SECの広報担当者は、市場構造法案を成立させようとする議会の取り組みを支持すると説明した。一方、法律が成立するまでは、SECが「自らの権限の範囲内」で暗号資産規制を前進させるとしている。
つまり、議会の結論をいつまでも待つつもりはない、ということだ。
CFTCトップはわずか1人
もっとも、CFTCの足元は盤石とは言い難い。
現在、上院の承認を受けたCFTC委員は、委員長を務めるマイケル・セリグ氏ただ1人だ。ドナルド・トランプ米大統領が、空席となっている指導部ポストに追加の候補者を指名する兆しもない。
8月20日の会合にはセリグ委員長のほか、CFTC職員も出席する予定だ。しかし本来、CFTCは超党派の5人の委員で構成される。
その陣容が整わないまま暗号資産規制という難題に挑もうとしていることから、議員の間では、トランプ大統領に早急な人事対応を求める声が相次いでいる。
議会は止まり、規制当局は人手不足。それでも暗号資産市場の時計は止まらない。米国のルールづくりは、いよいよ規制当局が先行する局面に入った。

