
カルシ、インフルエンサー広告問題で規制当局へ 急成長する予測市場に新たな火種
ベター・ビジネス・ビューロー(BBB)の全米広告部門(NAD)は月曜日、カルシが同社のSNS広告慣行に関する調査への参加を拒否したとして、同社を規制当局に付託すると発表した。

急成長する予測市場プラットフォーム、カルシにまた一つ、厄介な火種が加わった。
ベター・ビジネス・ビューロー(BBB)の全米広告部門(NAD)は月曜日、カルシが同社のSNS広告慣行に関する調査への参加を拒否したとして、同社を規制当局に付託すると発表した。イベント取引市場として急拡大する同社に対し、監視の目がさらに強まる格好だ。
NADは声明で、この件を適切な規制当局に付託すると説明した。対象には、関係する州司法長官も含まれ、今後、執行措置につながる可能性があるという。
今回の調査で焦点となったのは、カルシのインフルエンサーやアフィリエイトが、SNS上のプロモーションで報酬関係を明確に開示していたかどうかだ。さらに、同社が米連邦取引委員会(FTC)の推薦・証言広告に関するガイドラインを守るため、十分な対応を取っていたかも問われた。
BBBによれば、カルシはNADによる任意の自主規制レビューへの参加を拒否した。このため、NADは広告が掲載されたSNSプラットフォームにも通知する方針だ。
BBBはこう説明している。
「NADが問題視したのは、カルシとインフルエンサーまたはアフィリエイトとの重要な関係が、SNS広告において明確かつ目立つ形で開示されていたかどうかである」
暗号資産インフルエンサーのジョン・ワン氏は8月、カルシに加わっている。

Crypto influencer John Wang joined Kalshi in August. Source: John Wang on X.com.
カルシの広告手法をめぐっては、非営利のメディア監視団体メディア・マターズ・フォー・アメリカも問題視していた。同団体は、TikTokやインスタグラム上で拡散した同社のマーケティング施策を取り上げ、予測取引を「副業」として宣伝していたと指摘している。
規制の網をくぐりながら、予測市場は急成長
規制当局の視線を浴びながらも、予測市場の勢いは衰えていない。
カルシの爆発的な成長を支えたのは、SNSマーケティングだった。現実世界の出来事に連動した取引を前面に押し出し、新規ユーザーを取り込み、取引量を押し上げてきた。
カルシの広報担当者はブルームバーグに対し、同社の年換算売上高が15億ドル、日本円で約2400億円に達するペースにあると説明した。この勢いが、評価額220億ドル、約3兆5200億円での10億ドル、約1600億円の資金調達につながったという。
カルシは、中央集権型の予測市場プラットフォームとして、分散型のライバルであるポリマーケットと並ぶ存在だ。

Kalshi is a leading centralized prediction market platform alongside decentralized rival Polymarket. Source: Bitget Wallet
イベント契約をめぐっては、州規制当局と米商品先物取引委員会(CFTC)の間で管轄権争いが続いている。さらに、インサイダー取引疑惑も浮上している。それでも予測市場は、個人投資家だけでなく、機関投資家の間でも存在感を増しつつある。
バーンスタインが5月に公表した調査レポートでは、この分野は「機関投資家の時代」に入りつつあるとされた。アナリストらは、カルシ上で実行されたブロック取引を例に挙げ、流動性の改善と、より効率的な価格発見が進んでいる証拠だと指摘した。
バーンスタインのアナリストらは、こう記している。
「ブロック取引やオーダーメイド型契約の導入により、イベントリスクに対して狙いを絞ったエクスポージャーを求める機関投資家の参加が広がる可能性がある」
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