
暗号資産バブルに異変 ストラテジーはBTC売却、トランプ氏は2268億円利益、ビットコインは反転寸前か
ボリンジャーバンドの考案者ジョン・ボリンジャー氏は、チャートがビットコインの“ここからの急騰”を示唆していると語る。一方、ヴィタリック・ブテリン氏は新たなイーサリアムのロードマップ案を披露したが、なぜ実現までにこれほど時間がかかるのか。

ストラテジー、配当支払いのためビットコイン3588枚を約350億円で売却
マイケル・セイラー氏率いるストラテジーが、優先株の配当支払いと手元資金の補充を目的に、ビットコイン3588枚を売却した。
米証券取引委員会(SEC)に月曜日提出された8-K報告書によると、ストラテジーはこのビットコインを2億1600万ドル、約350億円で売却。これにより同社の保有量は84万3775BTCに減少した。
内訳は、先週月曜から火曜にかけて1363BTCを平均5万9256ドル、約960万円で売却。さらに水曜から日曜にかけて2225BTCを平均6万773ドル、約985万円で売却した。
ストラテジーは6月初旬にも32BTCの売却を開示していた。これは2022年の税務上の損失確定取引以来、初めて公表されたビットコイン売却だった。
今回の売却が明らかになる前、バーンスタインは、ストラテジーが保有ビットコインの売却を強いられる可能性は低いと指摘していた。理由として、同社の流動性と現金準備の厚さを挙げている。
バーンスタインのリポートによれば、ストラテジーは配当義務と利払いを17カ月分まかなえる現金を保有しているという。また同社は依然としてビットコインの「純買い手」であり、AI事業への転換により米国の主要ビットコインマイナーが売り手に回る市場において、強力な「均衡装置」として機能しているとした。
トランプ氏、在任中に暗号資産で約2268億円 「何も悪くない」と反論
ドナルド・トランプ米大統領が、2025年の財務開示を巡る批判に反論した。開示資料では、トランプ氏が在任中に暗号資産関連事業から14億ドル、約2268億円の収入を得ていたことが示されている。
木曜日、CNBCのジョー・カーネン氏とのインタビューで、トランプ氏は大統領として暗号資産投資から利益を得ることについて、「違法なことは何もない」「何も悪くない」と述べた。投資は他人が管理しており、その人物についても「誰なのかさえ知らない」と主張。大統領としての利益相反への疑念については、正面から答えなかった。
トランプ氏の発言は、米政府倫理局が2025年の財務開示報告書を公表した後に出たものだ。報告書によると、同氏は自身の事業や投資から20億ドル超、約3240億円を得ており、そのうち約14億ドル、約2268億円が、自身のミームコインや一族のプラットフォーム「ワールド・リバティ・フィナンシャル」などの暗号資産プロジェクトに関連していた。
多くの市民団体は、これらの投資を「詐取的」と表現している。大統領がデジタル資産市場明確化法、いわゆるクラリティ法のような関連法案に影響を与えられる立場にあるためだ。
トランプ氏の開示によれば、同氏のミームコインは約6億3600万ドル、約1030億円を生み、ワールド・リバティの販売収入は約5億8800万ドル、約953億円。さらにステーブルコイン事業の持分から1億9700万ドル、約319億円を得ていた。

米上院議員、公職者のミームコイン発行禁止を提案
米議会でデジタル資産市場構造法案の交渉に関わっているカーステン・ギリブランド上院議員は、選挙で選ばれた公職者や大統領が、自らのトークンを発行・支援することを禁止する案を示した。背景には、ドナルド・トランプ大統領とメラニア・トランプ夫人のミームコインがある。
ギリブランド氏は金曜日の声明で、議会は公職者とその配偶者が「自らのデジタル資産を発行または支援すること」を禁じる措置を支持すべきだと述べた 。ニューヨーク州選出の同議員は、この制限には米大統領とその配偶者も含まれるとした一方、副大統領やその他の家族にまで広げるかどうかには明確に触れなかった。
「これは超党派の幅広い支持を得るべき常識的な要件です。公職者とその配偶者がミームコインを発行すべきではありません」とギリブランド氏は述べた。
同氏はさらにこう続けた。
「私利私欲によって、消費者保護を強化し、不正金融を取り締まり、現在の金融システムから取り残された数百万人の米国人に経済的機会を広げる好機を壊してはなりません」

ヴィタリック・ブテリン氏、「リーン・イーサリアム」の最重要課題を提示
イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、新たな「リーン・イーサリアム」構想のもとで、量子耐性、スケーラビリティ、プライバシーをイーサリアムの最重要課題に挙げた。この構想は、今後10年の残り期間におけるネットワークの技術的方向性を示す“たたき台”である。
ブテリン氏は土曜日、Xへの投稿で、一連のアップグレードは今後3〜4年で展開されると述べた。対象はイーサリアムのほぼ全レイヤーに及ぶ。同氏はその規模について、2022年9月に行われた「マージ」に匹敵すると表現した。マージでは、イーサリアムがエネルギー集約型のマイニングから離脱した。
「量子安全性の優先度は大幅に上がった」と同氏は述べた。さらに、ブロブ向けの量子安全な解決策を確定させることは「緊急」になったと指摘した。
プライバシー強化も優先事項だ。ブテリン氏は、プライバシーが「第一級の目標」になったと述べている。
一方、決済重視のレイヤー1ブロックチェーン「テンポ」の背後にいる元イーサリアム財団リサーチャー、ダンクラッド・ファイスト氏は、新計画を評価しつつも、3〜4年というスケジュールは遅すぎると主張した。同氏は、AIを活用すれば開発者は1年以内にアップグレードを出荷できると述べている。
金融企業140社超、米ドル連動ステーブルコインで連携 準備金収益は参加企業へ
140社を超える企業が、米ドル連動型ステーブルコインのプロジェクトに参加したと報じられている。このプロジェクトでは、参加企業が準備金から生じる「すべての収益」を受け取れる仕組みだという。
火曜日の発表で、オープン・スタンダードは米ドル連動ステーブルコイン「オープンUSD(OUSD)」の立ち上げを発表した。ビザやマスターカードなどの金融企業に加え、コインベース、リップル、OKX、バイビットといった暗号資産企業が支援企業として名を連ねている。
このプロジェクトでは、企業がOUSDを「無料かつ人為的な発行上限なし」でミントでき、さらにコインの準備金から得られる収益を保持できるという。
リノ・ファイ共同創設者兼CEOのウィル・ハーボーン氏は、こう述べた。
「ビザ、ストライプ、マスターカード、コインベース、グーグルが新しいステーブルコインで連携するなら、そのシグナルは明白です。オープンUSDは、USDTやUSDCからシェアを奪う現実的な可能性を持つ初のローンチです。なぜなら、準備金収益が保有者全員に還元されるからです。ただし、その同じインセンティブこそが、大規模化したときの分断を生む要因にもなります」
しかし週が進むにつれて、署名企業の一部は、コンソーシアムへの確約をしたわけではないと否定した。

今週の勝者と敗者
週末時点で、ビットコイン(BTC)は6万4039ドル、約1037万円、イーサ(ETH)は1798ドル、約29万1000円、XRPは1.14ドル、約185円となっている。コインマーケットキャップによれば、暗号資産市場全体の時価総額は2兆1200億ドル、約343兆4400億円だ。
時価総額上位100銘柄のうち、今週の上昇率トップ3は、ミームコア(M)が105%、ライター(LIT)が39%、イーサ・ファイ(ETHFI)が29%だった。
一方、下落率トップ3は、ヴェニス・トークン(VVV)が13%安、ステーブル(STABLE)が10%安、オーディエラ(BEAT)が5%安だった。
今週の注目予測:ボリンジャーバンド考案者、ビットコイン弱気相場の終焉を示唆
ボリンジャーバンドというボラティリティ指標を考案したジョン・ボリンジャー氏は、BTC/USDのチャート上に「W字型」のダブルボトムを見つけたとみている。
「BTCでは強気パターンが次々と崩れてきた。下降トレンドの力を示す証拠だ」と同氏は金曜日、Xに投稿した。
そしてこう問いかけた。
「この“W”が、トレンドを破る一手になるのか」
W字型の反転とは、2つの安値をつけ、その間に反発がいったん拒否される形をいう。その後、価格がその拒否された水準を上抜けることで、新たな上昇トレンドが形成される。
ボリンジャー氏は以前からビットコインに強気だった。5月初旬には、自身のビットコイン投資ビークルを通じて新たなロングポジションを明らかにしている。
コインテレグラフが報じたように、価格指標の中には、前回の弱気相場だった2022年以来のシグナルを点灯させるものが増えている。それでも市場参加者の多くは、次のマクロ的な底はまだ先で、第3四半期以降に訪れるとみている。
今週のFUD:ティム・ドレイパー氏、「アーカムのウォレット特定は間違い」
億万長者投資家で、長年のビットコイン強気派として知られるティム・ドレイパー氏は、ブロックチェーン分析企業アーカムが、大規模なビットコイン送金に関わったウォレットを自身と誤って結びつけたと述べた。
「私ではありません。触ってもいません。アーカムは間違っています」とドレイパー氏はコインテレグラフに語った。さらに同氏は、ビットコインが1年以内に25万ドル、約4050万円に到達するとの見方をなお維持していると付け加えた。
発端は、ブロックチェーン分析プラットフォームのルックオンチェーンが金曜日、ドレイパー氏に「関連している可能性がある」ウォレットが、1000BTC、約6200万ドル、約100億円相当をコインベース・プライムへ送金したと報告したことだった。ルックオンチェーンは、アーカムのデータを根拠としていた。
ドレイパー氏は、暗号資産業界では初期からの著名なビットコイン投資家として知られる。2014年には、米当局がシルクロード関連資産から押収した約3万BTCを、米連邦保安官局のオークションで落札した。現在、その保有分は19億ドル、約3078億円の価値がある。だからこそ、ドレイパー氏が売却したとなれば、ビットコイン市場に大きな影響を及ぼしかねないのだ。
ビットコインの損益比率、43カ月ぶり低水準に
ビットコインの実現損益比率が、43カ月ぶりの低水準であるマイナス0.35に落ち込んだ。これは市場全体が極端な損失状態にあることを示す一方、歴史的には相場の底と重なることが多かった。ブロックチェーン分析プラットフォームのクリプトクアントが指摘した。
ビットコイン実現損益比率は、総供給量に対して利益または損失状態にあるビットコインの純割合を測る指標だ。この水準まで低下したのは、FTXが衝撃的に崩壊し、ビットコインが1万6000ドル、約259万円を下回った2022年12月以来である。
クリプトクアントは木曜日、「歴史的に、この指標は極めて高い精度でBTCの底を示してきた」と述べた。2015年と2019年にも、ビットコイン実現損益比率はマイナス0.35を下回り、その後に価格上昇が続いた。
このデータは、市場心理を押し上げる可能性がある。ビットコインは10月につけた12万6080ドル、約2042万円から50%下落する過程で、市場心理がたびたび過去最低水準近くまで悪化していた。直近10日間では慎重ながらも市場心理は回復しつつあり、ビットコインは6月25日に約2年ぶり安値となる5万8190ドル、約943万円まで急落して以降、7%超上昇している。
アップビット、「OUSD参加に関心を示しただけ」と説明
韓国の暗号資産取引所アップビットは、オープンUSDの発行には参加していないと説明した。同取引所の運営会社ドゥナムが、新たなステーブルコイン構想に関わる140社超の企業の1つとして名前を挙げられていたためだ。
アップビットの広報担当者はコインテレグラフに対し、こう述べた。
「アップビットは、オープンスタンダードのエコシステムの将来的な拡大に参加する可能性を検討する意思を示したにすぎません」
この説明は、オープン・スタンダードが公表したリストに掲載されたサムスン電子やその他の韓国企業からも、同様の反発が出たことに続くものだ。
金曜日の朝鮮ビズの報道によれば、サムスンはこのプロジェクトと正式な協議を行っておらず、自社にどのような役割が期待されているのかも把握していないと述べた。一方、新韓金融グループとKバンクも、この構想を検討する意思を示したにすぎないと報じられている。
コインテレグラフはオープン・スタンダードにコメントを求めたが、公開時点までに回答は得られなかった。
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