
かつて100兆ドル札を刷った国が、今度はブロックチェーン! ジンバブエ「大逆転」金融戦略の全貌
ハイパーインフレの代名詞だったあの国が、暗号資産の最先端へ大転換――。ジンバブエ証券取引委員会が規制サンドボックスに迎え入れた7社のうち、実に4社が「トークン化」狙い。取引困難な資産をまるごと投資商品に変える壮大な実験の中身に迫った。

アフリカ南部の小国・ジンバブエ。ハイパーインフレの代名詞ともいわれてきたこの国が、いま金融の最先端をめぐって世界の注目を集めている――。
ジンバブエ証券取引委員会(SECZ)はこのほど、7つのフィンテック・プロジェクトを自らの「規制サンドボックス」に受け入れたと発表した。しかも今回の顔ぶれ、その大半を占めるのが、いま暗号資産業界で最もアツいとされる"トークン化(トークナイゼーション)"なのである。
SECZが承認リストに名を連ねたのは、以下の7社だ。ジンバブエ・アントレプレナーシップ・エクスチェンジ、ンダラマ・スタンダード、クエストビュー・ブローカーズ、クラウドアックス・キャピタル、プロコード・プラットフォームズ、フィナンシャル・セキュリティーズ・エクスチェンジ(通称FINSEC=フィンセック)、そしてコルミン・リソーシズ・ジンバブエ――。
手掛ける事業はさまざまだ。ブロックチェーンを使った資金調達、クラウドファンディング、シンセティック取引(合成取引)、さらには資産・証券・インフラの"丸ごとトークン化"まで。驚くべきことに、7社のうち実に4社が、このトークン化を直球で狙っているというのだ。
だが、話はそう簡単ではない。
SECZの「規制サンドボックス・ガイドライン」によれば、サンドボックスへの参加が認められても、それはあくまで"当局の監視下で管理されたテスト"を受けられるにすぎない。テストを見事クリアしたところで、本格的な登録が保証されるわけではないのだ。参加企業は、商業展開に踏み出す前に、あらためて当局の登録要件をクリアしなければならない。いわば"仮免許"のようなものである。
それでもなお、今回トークン化企業がずらりと並んだ意味は小さくない。取引の難しかった資産を、規制された投資の枠組みへと引き込み、資本市場への扉を万人に開く――。ブロックチェーンという武器を手にしたジンバブエの静かな挑戦は、まだ始まったばかりだ。

