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Ezra ReguerraライターBryan O'Shea監修編集者

ジーキャッシュに偽造リスク発覚、ZECが一時50%急落 「無限発行」脆弱性で信頼回復へ新対策

最新ニュース公開日2026年6月6日

プライバシー重視の暗号資産として知られるジーキャッシュ(Zcash)が、またもや難題に直面している。開発者や研究者の間でいま議論されているのは、最近修正された「オーチャード(Orchard)」の脆弱性を受け、供給量の検証に対する信頼をどう取り戻すかという問題だ。その切り札として浮上しているのが、新たなシールドプールの導入である。

プライバシー重視の暗号資産として知られるジーキャッシュ(Zcash)が、またもや難題に直面している。

開発者や研究者の間でいま議論されているのは、最近修正された「オーチャード(Orchard)」の脆弱性を受け、供給量の検証に対する信頼をどう取り戻すかという問題だ。その切り札として浮上しているのが、新たなシールドプールの導入である。

スイスを拠点とする独立系のジーキャッシュ支援団体、シールデッド・ラボ(Shielded Labs)は金曜日のセキュリティ更新で、ネットワークアップグレード案を検討していると明らかにした。内容は、新しいシールドプールを展開し、オーチャードから移動するコインに対して「ターンスタイル会計」を強制するというものだ。これにより、ユーザーはプールから出てくる資金の整合性を、より明確に確認できるようになるという。

ただし、シールデッド・ラボは、この提案はまだ追加説明とコミュニティの検証を要するとしている。同団体は来週にも、アップグレードの仕組みや、それに伴うトレードオフについて説明する続報を公開する予定だ。

ジーキャッシュ・オープン・デベロップメント・ラボ(ZODL)創設者のジョシュ・スウィハート氏も、別のX投稿で、2つ目のオーチャードプールは原理的には7月末のジーキャッシュ「NU7」アップグレードで導入対象にできると述べた。ただし、コミュニティが本当に2つ目のオーチャードプールを構築すべきかについては、固定的な立場を取っていないという。

この議論の背景にあるのが、ジーキャッシュの緊急アップグレードだ。シールデッド・ラボによれば、オーチャードにはプール内で偽造ZECを生み出せる可能性のある脆弱性が存在していた。ただし、過去に悪用された可能性は低いとしている。

コインテレグラフは、ZODL、ジーキャッシュチーム、シールデッド・ラボにコメントを求めたが、記事公開時点で回答は得られていない。

Source: Josh Swihart

脆弱性公表でZEC急落

シールデッド・ラボはセキュリティ更新の中で、オーチャードの脆弱性について、悪意ある攻撃者がオーチャードプール内で無制限に偽造ZECを作り出せた可能性があると説明した。

問題は、修正前にこのバグが実際に悪用されたかどうかを、暗号学的に証明する方法がないことだ。ただし同団体は、過去に悪用された可能性は低いと見ている。

コインテレグラフが水曜日に報じたように、ジーキャッシュの開発者らは脆弱性を発見した後、オーチャード取引を一時停止。その後、緊急ネットワークアップグレードによって機能を復旧させた。

だが市場の反応は容赦なかった。

チームが脆弱性を公表した金曜日、ZECは1日の高値550.30ドル、約8万8210円から、一時264.80ドル、約4万2453円まで急落した。コインゲッコーのデータによれば、下落率はおよそ50%に達した。執筆時点では308.07ドル、約4万9387円まで戻したものの、金曜日の高値からはなお大きく沈んだままだ。

Zcash token’s 24-hour price chart. Source: CoinGecko

市場が崩れる一方で、コミュニティの一部からは開発チームの対応を擁護する声も上がった。

サイバーキャピタル(CyberCapital)創業者兼最高投資責任者のジャスティン・ボンズ氏は、市場は過剰反応していると指摘。バグはすでに修正されており、「善良な側が先に見つけた」と述べた。

また、ジェミナイ(Gemini)共同創業者のキャメロン・ウィンクルボス氏は、今回の発見はジーキャッシュがセキュリティ研究者に投資してきた結果であり、警戒すべき理由ではないと主張した。レイヤー1ネットワークにバグは避けられない。重要なのは、攻撃者より先にチームがそれを見つけ、修正できるかどうかだというわけだ。

「形式検証」は長期解になるのか

今回の一件は、「形式検証」をめぐる議論も再燃させた。

形式検証とは、ソフトウェアや暗号回路が意図した仕様どおりに動くかを、数学的証明によって確認する手法である。

ジーキャッシュ開発者で暗号研究者のショーン・ボウ氏は、シールド型プロトコルはプライバシーを提供する一方で、供給量の完全性を守るために暗号学的な前提に依存していると説明した。そのうえで、長期的な答えは、シールド型プロトコルとその実装を形式検証可能にすることだと述べた。

スウィハート氏も同様の見方を示している。今回のオーチャード脆弱性は、基盤となる暗号技術そのものの欠陥ではなく、回路に手作業で書かれたルール上の欠陥だったという。形式検証を導入すれば、人間によるレビュー対象を簡潔な仕様に絞り、コンピューターにその回路がルールと一致しているか確認させられる可能性がある。

ブロックチェーン系ベンチャーキャピタル、ワンケーエックス(1kx)のリサーチパートナーであるウェイ・ダイ氏もXで、今回のオーチャード回路のバグは「振り返れば明白」に見えるものだったと述べた。しかし、それでも勤勉なプロトコル設計者、暗号学者、監査人たちは見逃した。だからこそ、形式検証の範囲拡大こそが「おそらく唯一の長期的な解決策」だと指摘している。

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