Cointelegraph
DOGE$0.07503 1.10%
TRX$0.3310 0.18%
LINK$8.06 1.44%
ZEC$505.55 0.42%
ADA$0.1707 2.15%
XRP$1.11 0.78%
ETH$1,822.89 1.50%
BTC$64,178.50 0.18%
XMR$320.40 1.07%
BNB$579.85 0.41%
XLM$0.1908 0.72%
SOL$77.91 0.12%
HYPE$67.14 0.87%
Ezra ReguerraライターBryan O'Shea監修編集者

投票先がバレないブロックチェーン投票は実現するのか ヴィタリック氏が示した「秘密投票」の新技術

最新ニュース公開日2026年6月30日

ヴィタリック・ブテリン氏は、識別不能難読化によって、いずれは「信頼された委員会」なしに、秘密性と談合耐性を備えたオンチェーン投票が可能になると指摘した。だがその一方で、この技術はいまだ実用化には遠いとも認めている。

イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏が、オンチェーン投票の未来をめぐる技術論考を公開した。そこに描かれていたのは、投票管理を特定の委員会に委ねることなく、誰が誰に投票したかを秘匿したまま、ブロックチェーン上で結果だけを明らかにするという、いわば「信頼なき秘密投票」の構想である。

ブテリン氏は月曜日のブログ投稿で、「識別不能難読化(インディスティンギシャビリティ・オブファスケーション、iO)」と呼ばれる暗号技術をブロックチェーン基盤と組み合わせることで、ほぼ信頼前提を必要としない、秘匿性と談合耐性を備えた投票が可能になると述べた

現在の仕組みでは、暗号化された投票データを複数人の委員会が共同で復号する「しきい値委員会」に依存する。だがブテリン氏の構想では、この委員会を不要にする。代わりに、結果だけを明らかにするよう設計された「保護されたプログラム」が、投票の集計を担うというわけだ。

いまのオンチェーン投票は、投票情報を守る運営者グループが正直に振る舞うことを前提としている。この依存関係を取り除くことができれば、分散型ガバナンスは操作されにくくなり、内部関係者による介入リスクも減る。さらに有権者は、自分がどう投票したかをさらすことなく参加できるようになる。

もっとも、ブテリン氏はこの技術がまだ実用段階にはないことも認めている。最も保守的な構成では、必要な計算量が「銀河級」と表現されるほど膨大になるという。一方で、高速な手法は、まだ十分に検証されていない安全性の前提に依存している。そのため、この構想はすぐに導入できるシステムというより、長期的な研究テーマと見るべきものだ。

Source: Vitalik Buterin

識別不能難読化は、オンチェーン投票をどう守るのか

ブテリン氏によれば、iOとは、ソフトウェアを保護されたプログラムへと変換する暗号技術である。利用者はそのプログラムを実行し、想定された出力を得ることができる。だが、内部コードをのぞき見たり、中に保存されたデータを取り出したりすることはできない。

ブテリン氏はこの概念を、処理される情報そのものを隠すのではなく、「コードを隠す」技術だと説明している。

オンチェーン投票に応用する場合、難読化されたプログラムの中に、暗号化された投票を処理し、最終的な集計結果だけを明らかにするロジックを組み込むことができる。個々の投票内容は外部に漏れない。つまり、投票結果を復号するための鍵を複数メンバーが共同で保持する、しきい値委員会を置く必要がなくなる。

ただしブテリン氏は、ブロックチェーンがなお重要な役割を果たすとも指摘した。難読化されたプログラムは、自分自身がコピーされることを防ぐことはできず、変化する情報を独自に管理することもできないからだ。

関連記事: 「イーサリアムはまだ落ちる」暴落的中のクジラが約32億円ショート ETH下落なら3.9億円の含み益

ブテリン氏が進めるプライバシー強化

ブテリン氏は、2024年10月に公開したイーサリアムのロードマップでも、iOと秘密投票の関係に触れていた。そこでは、この手法がより強いプライバシーと、投票者への強制に対する耐性をもたらし得ると説明していた

今回の論考は、その提案をさらに掘り下げたものだ。基盤となる暗号技術をどのように構築するのか、どのような安全性の前提が必要なのか、そして何が実用化を阻んでいるのかを検討している。

ブテリン氏は2025年4月にも、イーサリアムにおけるより現実的なプライバシー・ロードマップを提案している。そこでは、既存のウォレットにプライバシーツールを統合することを求めた。また、ウォレットがイーサリアムにアクセスする際に利用するインフラ事業者によるデータ収集に対して、より強固な保護策を導入すべきだとも主張していた。

さらに同氏は、プライバシー保護技術への資金提供にも自ら踏み込んでいる。1月30日には、個人保有分から1万6384ETHを拠出。これは当時約4500万ドル、現在の為替換算で約72.8億円に相当し、プライバシー、オープンインフラ、自己主権型ツールに重点を置く取り組みの支援に充てる方針を示していた。

Cointelegraphは、独立性と透明性のあるジャーナリズムに取り組んでいます。本ニュース記事はCointelegraphの編集方針に従って制作されており、正確かつ迅速な情報提供を目的としています。読者は情報を独自に確認することが推奨されます。編集方針はこちらをご覧ください https://cointelegraph.jp/editorial-policy

この話題についてもっと