
イーサリアム次の大型アップグレード「ヘゴタ」始動、66の改善案から絞り込みへ 狙いは暗号資産の"匿名送金"
2027年の実装を目指す次期大型アップグレード「ヘゴタ」。開発者たちが66件もの改善提案(EIP)をふるいにかけ、採用機能の絞り込み作業に入った。焦点となっているのは、暗号資産の送金における"プライバシー"の抜本強化だ。

イーサリアムの開発コミュニティが、にわかに慌ただしくなっている。次期大型アップグレード「ヘゴタ(Hegotá)」の中身を固めるべく、実に66件もの改善提案――いわゆる「イーサリアム改善提案(EIP)」――を一つひとつ精査し、採用候補を絞り込む作業が進んでいるのだ。とりわけ目を引くのが、ネットワークに"より高度なプライバシー機能"を組み込もうとする複数の提案である。
現時点でヘゴタへの採用がほぼ確定しているEIPは、「FOCIL(フォークチョイス強制インクルージョンリスト)」ただ一つ。これに加え、「フレームトランザクション(EIP-8141)」「キード・ノンス(EIP-8250)」「フレームトランザクション用リセントルーツ(EIP-8272)」の3提案についても採用すべきだとの声が強まっている。
イーサリアム財団の開発コントリビューター、トニ・ヴァールシュテッター氏は日曜日、X(旧Twitter)への投稿でこう主張した。
「これらを採用すれば、仲介業者に頼ることなくプライバシーアプリが機能するようになる――いわば"ネイティブなプライバシー"の解放だ」
そもそもFOCILとは何なのか。正式名称は「フォークチョイス強制インクルージョンリスト」。バリデーター(検証者)の委員会が、保留中のトランザクションを強制的にブロックへ組み込めるようにする仕組みで、ネットワークの"検閲耐性"を底上げする狙いがある。残る3つの提案は、プライバシー系アプリが機能するための"土台"となるプロトコル機能を提供するものだ。
コア開発者たちは、ヘゴタを来年中に実装する計画を掲げる。今後開かれる一連のコア開発者会合は、2027年のイーサリアムの開発ロードマップを大きく左右することになりそうだ。なお、ヘゴタへの採用が見送られた提案についても、後続のアップグレードで再検討される可能性は残されている。
次回のイーサリアム開発者会合は、月曜日午後2時(UTC、協定世界時)に予定されている。
先に控えるのは大型アップグレード「グラムステルダム」
もっとも、イーサリアムの開発陣が目下最優先で取り組んでいるのは、ヘゴタではない。今年最大級のインパクトを持つとされる大型アップグレード「グラムステルダム(Glamsterdam)」が、先に控えているのだ。
グラムステルダムは、スケーラビリティ(処理能力)の向上に加え、レイヤー1(基盤層)の堅牢化、そしてネットワークの使いやすさの改善を目的とする。イーサリアムが公表しているロードマップによれば、メインネットでの稼働開始は2026年後半になる見通しだという。

