
ビットマイン、イーサリアム全供給量の5%保有目前 582万ETHを抱え「含み損1.3兆円」でも買い増し
トム・リー氏率いるビットマインは、イーサを9926ETH買い増し、保有量を約582万ETHまで積み上げた。イーサリアム全供給量の約4.8%を握り、目標の「5%」まであと一歩。一方、含み損は約1兆3440億円。それでも同社が買い続ける理由は、年間約459億円を見込むステーキング収益にある。

トム・リー氏率いるイーサリアム財務企業、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが、イーサの買い付けを再開した。
相場は依然として厳しい。しかも同社の帳簿には、目を覆いたくなるような巨額の含み損が積み上がっている。それでも買う。狙うのは、イーサリアム全供給量の「5%」だ。
ビットマインは月曜日、8月16日までの1週間に9926ETHを取得したと発表した。これにより、イーサの総保有量は約582万ETHに達した。イーサリアムの流通供給量全体の約4.8%にあたる。
1ETH=1893ドル(約30万3000円)で計算すると、同社が保有するイーサの評価額は約110億ドル(約1兆7600億円)に上る。
ただし、ここには落とし穴がある。ビットマインが実際にイーサを買った価格は、その多くが現在価格を大幅に上回っているのだ。
月曜日のイーサ価格はほぼ横ばいで、1900ドル(約30万4000円)をわずかに上回る水準で推移していた。
「5%の錬金術」まで、あとわずか
今回の買い増しによって、ビットマインは長期目標として掲げる「アルケミー・オブ・5%(5%の錬金術)」を射程圏内に捉えた。
その目標は極めて単純だ。市場に存在するイーサの5%を、自社で保有する――ただそれだけである。
だが、道のりは平坦ではなかった。
イーサの弱気相場は長期化し、ビットマインが築いた巨額の暗号資産ポートフォリオを直撃した。業界データによれば、同社が保有するイーサの含み損は84億ドル(約1兆3440億円)を超えている。
ポートフォリオの評価額が110億ドルを超える一方、含み損率は約43%に達する計算だ。

With a portfolio value of more than $11 billion, BitMine’s unrealized losses are around 43%. Source: DropsTab
それでもビットマインは、イーサを積み増す手を止めていない。同社は2025年6月にイーサ財務戦略を始めて以来、ほぼ毎週のように買い付けを続けてきた。
ステーキングだけで年間459億円
巨額の含み損を抱える一方、ビットマインには「稼ぐ仕組み」もある。ステーキングだ。
同社によれば、現在ステーキングに回しているイーサは500万ETHを超える。現在価格で約96億ドル(約1兆5360億円)相当だ。
ステーキングとは、イーサを預け入れてイーサリアムネットワークの安全性維持に協力し、その対価として報酬を受け取る仕組みである。
つまり、イーサ価格が短期的に上がろうが下がろうが、ネットワークへの貢献を続ける限り、一定の収益が期待できる。
リー氏によれば、直近7日間のステーキング利回り2.61%を前提とした場合、ビットマインが受け取る年間報酬は約2億8700万ドル(約459億円)に達する見通しだ。
1兆円を超える含み損を抱えながら、年間459億円を生み出す――。ビットマインが目指す「5%の錬金術」は、果たしてその名の通り黄金を生むのか。それとも、弱気相場の底なし沼へと続くのか。答えは、イーサ価格とステーキング収益の行方にかかっている。

