
英国で暗号資産投資が一段解禁へ FCAが個人向けファンドに「最大10%」を認める新ルール案
英国の金融行動監視機構(FCA)が、認可を受けた一部の投資ファンドについて、暗号資産の上場投資証券(ETN)を最大10%まで組み入れることを認める案を打ち出した。個人投資家とファンドの間に残っていた規制上の“ねじれ”を埋める狙いがある。

英国の金融行動監視機構(FCA)が、認可を受けた一部の投資ファンドについて、暗号資産の上場投資証券(ETN)を最大10%まで組み入れることを認める案を打ち出した。個人投資家とファンドの間に残っていた規制上の“ねじれ”を埋める狙いがある。
FCAは金曜日に公表した四半期ごとの諮問文書の中で、この案を示した。対象となるのは、個人投資家向けのファンドであるUCITS(譲渡可能証券への集団投資事業)ファンド、および一部の非UCITSファンドだ。これらのファンドが、暗号資産へのエクスポージャーを持てるようにするという。
規制当局は、認可ファンドについて「投資家の需要に照らして、現代的で一貫したものに保つ」ことを目指す一方で、消費者が「十分に保護され、市場が適切に機能する」ことも確保したいとしている。
今回の提案は、暗号資産関連商品の購入をめぐるルールをそろえる狙いがある。FCAは8月、個人投資家による暗号資産ETNの取引禁止を解除していた。これは、暗号資産への個人投資家のアクセスを他国の制度に近づけるための措置だった。
FCAは諮問文書の中で、今回提案する10%の上限について、「これらのファンドを個人投資家に販売できるようにする代わりに、ファンドがエクスポージャーを持つことのできる資産に保守的な制限を設ける」ものだと説明している。
ただし、FCAは、個人投資家向けファンドが暗号資産関連商品に「大きなエクスポージャー」を持つことは適切ではないとの考えも示した。背景にあるのは、原資産である暗号資産の投機的な性質だ。

An excerpt from the FCA’s consultation pitching allowing retail funds limited exposure to crypto products. Source: FCA
暗号資産に投資したい個人向けファンドは、その投資が「当該ファンドで開示されている投資目的およびリスク特性と整合している」ことも示さなければならない、とFCAはしている。
一方、規制対象外のスキームや適格投資家向けスキームについては、「より投機的な資産」に投資できるとされ、保有上限は設けない方針だ。ただし、これらのファンドを個人投資家に販売・勧誘することはできない。
FCAはまた、不動産などのいわゆる「長期資産」を保有することを目的としたファンドや、その他の個人投資家向けファンドについて、暗号資産ETNの保有を禁じるべきかどうかについても意見を求めている。FCAは、暗号資産がこうしたファンドの投資目的と整合するとは考えていないとしている。
この提案に関する意見募集は5週間行われ、7月13日まで続く。
英国では、暗号資産に道を開く動きが相次いでいる。FCAとイングランド銀行は、ステーブルコイン、暗号資産のカストディ、ステーキングに関する規則案について諮問を進めている。
イングランド銀行は先月、暗号資産企業から、保有限度額や準備資産要件が普及を妨げる可能性があるとの警告を受け、提案していたステーブルコイン規制の一部を再検討していると明らかにした。
さらにFCAは4月、資産運用会社がブロックチェーンを利用しやすくするため、トークン化ファンドに関する新たな規則も整備した。あわせて、ステーブルコインの発行、暗号資産取引、カストディ、ステーキングに関する要件を明確化するための指針についても意見を求めている。

