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Bryan O'Shea編集者Bryan O'Shea監修編集者

AIがホテル予約、支払いは暗号資産 トラバラがUSDC決済対応サービス開始

最新ニュース公開日2026年6月6日

シンガポールを拠点とする暗号資産系旅行プラットフォーム、トラバラが、人工知能(AI)エージェントにホテルの検索、予約、そして決済まで行わせる新たなプロトコルを発表した。

シンガポールを拠点とする暗号資産系旅行プラットフォーム、トラバラが、人工知能(AI)エージェントにホテルの検索、予約、そして決済まで行わせる新たなプロトコルを発表した。

決済に使われるのは、米ドル連動型ステーブルコインのUSDC。舞台となるのは、レイヤー2ブロックチェーンのベースである。AIエージェントによるステーブルコイン決済は、ついに旅行予約の領域にまで足を踏み入れた格好だ。

トラバラが発表した「トラバラ・トラベルMCP」は、まずクロード・デスクトップ上で利用可能となる。外部開発者も、この仕組みを自社の旅行AIエージェントに組み込めるという。

同社によれば、このシステムは、AIアプリと外部ツールをつなぐオープン標準「モデル・コンテキスト・プロトコル」を通じて、トラバラのホテル在庫とAIエージェントを接続する。支払いには、コインベースの「x402」プロトコルをベース上で利用する。

その結果、ガス代なしのUSDC取引、ほぼ即時の決済、そして1件あたり約0.01ドル、日本円にしてわずか約2円の取引コストを実現できるとしている。

それでも最後の「支払い承認」は人間が握る

ただし、完全な自動化というわけではない。

最終的な支払い承認には、旅行者本人による手動確認が必要となる。つまり、AIが勝手にホテルを予約し、勝手に財布から資金を動かすわけではない。とはいえ、単に旅程を提案するだけのチャットボットよりは、一段進んだ仕組みであることは確かだ。

今回の発表は、暗号資産企業がステーブルコインを「機械同士の商取引」に使える実用的な決済手段へ押し上げようとする流れの中で出てきたものだ。コインテレグラフは最近、ベース上のx402関連ウォレットが累計1億件を超える取引を記録したとも報じている。さらに、ファイアブロックス、ムーンペイ、エクソダス、ウービットなども、AI主導のステーブルコイン決済に関連する製品を相次いで投入している。

Cumulative agentic transfer volumes on Base. Source: Chainalysis

トラバラは今回の発表を、自律型旅行予約への初期段階と位置づけている。旅行者が最終的な支払い承認を保持する一方で、検索から予約、キャンセルまでを1つのチャット上で継続的に処理できるという。

さらに同社は、AIエージェント経由で完了した宿泊予約について、開発者に10%のコインベース・ラップドBTC(cbBTC)還元を提供するとしている。

「チェックアウトボタンは死んだ」

トラバラのフアン・オテロCEOは、今回の発表についてこう語った。

「世界初のエージェント型AI旅行プロトコルのローンチは、チェックアウトボタンの死を意味する」

オテロ氏は、これが「真に自律的な旅行経済」の始まりだと強調した。

もっとも、その言葉の派手さとは裏腹に、利用者の財布を握る最後の権限はまだ人間に残されている。トラバラによれば、この仕組みでは「ERC-7715セッションキー」を使い、AIエージェントが支払いを要求できるようにしつつ、最終的な署名権限は旅行者のウォレット内に保持される。

つまり、AIは「このホテルを押さえ、支払いを進めてもよいか」と求めるところまではできる。しかし、最後に印鑑を押すのは、あくまで旅行者本人というわけだ。

ホテルから航空券へ、対象拡大を狙う

トラバラによると、このプロトコルは220万件以上のホテルを対象としている。そこには、マリオットヒルトンIHGなどの宿泊施設も含まれる。これらの在庫は、同社のアグリゲーターパートナーを通じて提供されている。

今後はホテルだけでなく、航空券を含む他の旅行商品にも対象を広げる計画だという。また、同社のロイヤルティトークンであるトラバラ(AVA)も、将来的なトラベルMCPのユースケースを支える存在になる見通しだ。

トラバラは2017年に設立された。これまでは、スリープ・アイオーオルタナティブ・エアラインズといった暗号資産対応の旅行プラットフォームと比較されることが多かった。

だが、今回のプロトコルによって、その競争軸は単なる「暗号資産で支払える旅行サイト」から、「AIエージェントが予約を実行する旅行インフラ」へと移りつつある。

同社は現在、法定通貨に加え、100種類以上の暗号資産を受け付けているという。決済ボタンを押す旅行予約の時代が終わるのか。それとも、AIに旅の財布を預けるには、まだ早すぎるのか。トラバラの挑戦は、その境界線を探る実験でもある。

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