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Nate KostarライターRobert Lakin監修編集者

暗号資産バブルの次は「ステーブルコイン経済圏」——1.1兆ドル市場の全貌

最新ニュース公開日2026年8月10日

ステーブルコインで決済される株価指数・為替連動の「無期限契約」取引が、2026年上半期だけで1.1兆ドル(約170兆円)を突破。もはや「億り人」の道具ではなく、機関マネーの主戦場になりつつある。

バイナンス・リサーチの調査によると、株式や為替などの伝統的金融(TradFi)資産に連動した無期限契約(パーペチュアル)の取引が、2026年上半期に1.1兆ドル(約1,700億円…ではなく約170兆円、1ドル=155円換算)規模に達したことが分かった。決済に使われているのはドル連動のステーブルコインで、こうしたTradFi連動の無期限契約は、2026年1〜5月時点で暗号資産の無期限契約全体の取引高の約11%を占めるまでに拡大している。

TradFi perpetual volume and Binance market share. Source: Binance Research

バイナンス・リサーチはさらに、ステーブルコインが短期売買のための決済手段にとどまらず、長期的な「資産の避難先」としての性格を強めていると指摘。バイナンスの利用者のうち、資産の半分以上をステーブルコインで保有する人の割合は、2020年の4%から現在30%まで急増したという。

世界のステーブルコイン時価総額はデフィラマ(DefiLlama)のデータで約3,110億ドル(約48兆円)に達し、1年前の約2,540億ドル(約39兆円)から大きく増加。Visaがアリウム社のデータを基に算出した調整後ステーブルコイン取引高も、6月には過去最高の1兆7,900億ドル(約277兆円)を記録した。

中南米が新たな激戦区に

バイナンス・リサーチは、ステーブルコインが国境を越えた送金手段としても存在感を強めていると分析。特に中南米での普及ペースが著しく、バイナンスでステーブルコイン送金を行うユーザーに占める中南米の割合は、2025年の17%から2026年には38%へと倍増以上となった。より速く、より安い国際送金へのニーズが背景にあるという。

Stablecoin transfers. Source: Binance Research

メキシコシティを拠点とする暗号資産取引所ビットソー(Bitso)の調査でも同様の傾向がみられ、2025年に同社プラットフォームで購入された暗号資産のうちドル連動ステーブルコインが40%を占め、ビットコイン(18%)を初めて上回った。

この市場拡大は大きなビジネスチャンスにもなっている。元バイビット(Bybit)幹部のクラウディア・ワン氏は5月、「米国〜メキシコ」以外の送金ルートだけでも、ステーブルコイン発行体にとって1,120億ドル(約17兆円)規模の市場機会があると試算した。

大手送金事業者も動き出している。ウェスタンユニオンは5月、ソラナネットワーク上で独自のステーブルコイン「USDPT」を国際送金向けにローンチ。追随する形で、ライバルのマネーグラムも6月、ステラ上でステーブルコイン「MGUSD」を展開し、自社アプリ経由のブロックチェーン送金サービスを拡充した。

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