
トランプ氏“暗号資産で約2267億円”疑惑 民主党上院議員が公聴会要求、CLARITY法案に暗雲
米上院民主党の有力議員5人が、トランプ大統領の暗号資産関連収入をめぐり「国家安全保障上の影響」を調査する公聴会の開催を要求した。焦点は、トランプ氏が推進するデジタル資産市場構造法案「CLARITY法案」と、自身の暗号資産ビジネスとの利益相反だ。

米上院でデジタル資産市場構造法案の審議が進むなか、民主党の上院議員5人が、トランプ大統領の暗号資産保有をめぐる「国家安全保障上の影響」を調査するため、委員会公聴会の開催を求めた。
民主党の有力議員らは金曜日、米上院の5つの委員会・小委員会の共和党側に対し、トランプ大統領の2025年財務開示について取り上げるよう要請した。開示資料によれば、トランプ氏は自身のミームコインや、一族が関わる暗号資産プラットフォーム「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」などに関連して、約14億ドル、日本円にして約2267億円の収入を得たと報告している。
議員らは、この報告について「大統領が、自ら利益を得ている業界に有利な暗号資産法案を通すよう、議会に圧力をかけているのではないかという懸念を強めるものだ」と指摘した。念頭にあるのは、デジタル資産市場明確化法、いわゆる「CLARITY法案」だ。同法案は今月、上院で採決される見通しとなっている。
民主党議員らは通知の中で、次のように訴えた。
「われわれは、それぞれの委員会に対し、トランプ大統領の暗号資産保有がもたらす国家安全保障上の影響について調査する公聴会を開くよう求める。そこには、アラブ首長国連邦、または正体不明の第三者が、トランプ大統領の行動に影響を及ぼしている可能性も含まれる」
今回、トランプ氏と暗号資産業界の関係をめぐる公聴会開催を求めた民主党議員の一人が、リチャード・ブルーメンソール上院議員だ。同氏は木曜日、CNNのアンダーソン・クーパー氏の番組にも出演している。

Senator Richard Blumenthal, one of the Democrats who called for hearings into Trump’s ties to crypto, speaks to CNN’s Anderson Cooper on Thursday. Source: Richard Blumenthal
もっとも、民主党は現在、上院・下院のいずれにおいても少数派である。そのため、共和党の協力なしに独自の公聴会や監視活動を進める権限は限られている。
とはいえ、上院では議事妨害を打ち切って法案を前に進めるために60票が必要となる。つまり、CLARITY法案を通すには、共和党だけでは足りず、一部の民主党議員の協力が不可欠になる。
一方、シンシア・ルミス上院議員のような共和党議員は、CLARITY法案の成立を引き続き強く求めている。しかし民主党側からは、明確な倫理規定が盛り込まれない限り支持しないとの声が相次いでいる。
下院金融サービス委員会の委員長を務め、2025年に同法案の下院通過を後押ししたフレンチ・ヒル下院議員も、トランプ氏と暗号資産業界との関係が、法案成立を「より複雑にしている」と述べた。
CBDC禁止法案、トランプ氏が署名拒否も成立へ
民主党議員らの通知が出されたのは、中央銀行デジタル通貨、いわゆるCBDCをめぐる別の法案が成立する見通しとなった、わずか数時間前のことだった。
この法案は、米連邦準備制度理事会、FRBが2030年12月31日までCBDCを発行・創設することを禁じる内容だ。超党派の住宅関連法案にCBDC禁止条項が盛り込まれていたが、トランプ氏は署名式をキャンセル。さらに拒否権も行使しなかった。
その結果、法案は10日間の期限経過によって、自動的に法律として成立する見込みとなった。

