
米上院で民主党が過半数を奪還 暗号資産規制の行方に影響、CLARITY法案は再審議へ
米中間選挙で民主党が共和党から複数議席を奪い、上院の過半数を獲得した。暗号資産業界では、停滞しているCLARITY法案の行方や規制当局の人事、トランプ氏と関係のある暗号資産企業への議会の監視強化など、政策への影響が注目されている。

米中間選挙で民主党が上院の過半数を奪還した。共和党が議席を持っていたテキサス州、オハイオ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、カンザス州、アイオワ州で勝利した。AP通信が報じた。
アイオワ州の上院選で民主党のジョシュ・トゥレク氏が勝利し、民主党と同党と院内会派を組む無所属議員の議席数は51となった。これにより、民主党が上院の過半数を確保した。
今回の結果は、停滞しているデジタル資産市場明確化法(CLARITY法案)の行方を左右するほか、暗号資産業界を監督する上院委員会を誰が率いるかにも影響する。
民主党が上院を掌握すれば、トランプ氏と関係のある暗号資産企業や、規制当局の判断に対する議会の監視が強まる可能性もある。また、今後、大統領が指名する規制当局の幹部候補の承認にも影響を及ぼしそうだ。
イーサリアム・フランスの会長で、イーサリアム関連イベント「EthCC」の共同創設者でもあるジェローム・ド・ティシー氏は、コインテレグラフに対し、「暗号資産業界にとって今回の結果が何を意味するのか、正確に判断するにはまだ早い。しかし、明らかなことが一つある。超党派の支持なしに法案が成立することはない」と語った。
同氏は、CLARITY法案についても言及した。
「同法案は9月、上院の手続き上の採決で49対50となり、前進できなかった。1月までに成立しなければ、次の議会では最初からやり直しになる。そのため、業界は再び議員との協議の場に戻り、ブロックチェーンの重要性を改めて説明しなければならない」
一方で、ティシー氏は、民主党側が求める一部の規制が、業界の枠組みを強化する可能性もあると指摘する。
「利益相反に関する規則や顧客保護義務は、成熟した業界であれば歓迎すべきものだ。欧州では、暗号資産市場規制法(MiCA)の下ですでにこうした規則が適用されている」と述べた。
ただし、暗号資産政策が党派間の対立に固定化することには警戒感を示した。
「米国の暗号資産業界にとって最大のリスクは、暗号資産が党派的な争点として定着することだ。それによって米国は数年後退しかねない」
ドーマ・プロトコルの主要開発貢献者であるD3の共同創業者兼CEO、フレッド・シュー氏も、安定した規制を実現するには両党の支持が必要だとの見方を示した。
シュー氏は選挙前に寄せたコメントで、「今回の中間選挙は、業界が一つの政党だけに期待することはできないという重要な教訓を示している。今こそ、両党の議員に対して業界の主張を伝えていくべきだ」と述べた。

