
ロビンフッドがdYdXを取り込む 新DEX「アーカス」で株も先物もオンチェーン化へ
暗号資産プロトコルのdYdXが「アーカス」へと衣替えし、ロビンフッドの新ブロックチェーンに乗り込む。パーペチュアル取引とトークン化株式取引を武器に、オンチェーン金融の主導権を狙う。

分散型取引所(DEX)「dYdX」を手がける企業が、ロビンフッドと提携した。プロトコルは「アーカス」として刷新され、ロビンフッド・チェーン上でローンチされる。
アーカスのXアカウントは水曜日、「dYdXはアーカスになった」と投稿した。アーカスは、同日に稼働を開始したロビンフッド独自のアービトラム基盤レイヤー2ブロックチェーン「ロビンフッド・チェーン」上で展開される。
dYdX財団によると、アーカスはdYdXラボが「ロビンフッドとの提携により」開発したものだという。一方で、dYdXブロックチェーンについては「いかなる形でも影響を受けない」と説明している。アーカスは、ロビンフッド・チェーンにおける「主要DEX」となることを目指し、ユーザーにパーペチュアル商品へのアクセスと、95銘柄のトークン化株式の手数料無料取引を提供する予定だ。

Source: Charles d’Haussy
このDEXは、ロビンフッドがトークン化資産とパーペチュアル取引に本腰を入れる動きの一環である。いずれも最近、暗号資産分野で急速に人気が高まっている領域だ。米規制当局が、こうした商品の市場投入をより容易にする方向に関心を示していることも、追い風となっている。
ロビンフッドがパーペチュアル取引を取り込もうとしている背景には、暗号資産パーペチュアル先物プラットフォーム「ハイパーリキッド」に流れ込んだトレーダーを呼び戻したい思惑がある。ハイパーリキッドのトークンは、市場シェアを拡大するなかで、年初来およそ150%上昇している。
アーカス、トークン化株式とパーペチュアル取引を提供へ
アーカスはブログ投稿で、次のように述べた。
「これまでトレーダーは、居住地、市場の取引時間、そして金融機関によるアクセス制限によって、地球上で最も価値のある市場──米国株、コモディティ、指数──から締め出されてきた。われわれは、こうした障壁を減らすためにアーカスを構築した」
同プロトコルによると、今月中にパーペチュアル取引とトークン化株式取引を開始する予定だ。トークン化株式をパーペチュアル取引の担保として利用できるようにし、さらにIPO前市場へのアクセスも提供するという。
アーカスはまた、ロビンフッドの暗号資産技術部門であるロビンフッド・クリプトが同社に投資したことも明らかにした。ただし、投資額などの詳細は開示していない。
dYdX財団は、アーカスについて「別個のインフラ上に構築された、独立した異なるプロダクト」だと説明した。そのうえで、dYdXブロックチェーンは今後も稼働を続け、コミュニティによって所有されると強調している。
個人投資家向けの大手取引プラットフォーム各社は、競争力を維持するため、相次いでサービス拡充に動いている。暗号資産取引所コインベースも、ロビンフッドに対抗し、総合取引プラットフォーム化を目指している。今年に入り、数千銘柄の株式へのアクセスを追加した。
ロビンフッドのブロックチェーン展開は、2023年のコインベースの動きにも重なる。コインベースは当時、イーサリアムのレイヤー2ブロックチェーン「ベース」を立ち上げた。DeFiLlamaによると、ベースは現在、預かり資産額ベースで5番目に大きいブロックチェーンに成長している。
一方、暗号資産取引所ビットゲットの自己管理型ウォレットであるビットゲット・ウォレットは水曜日、ロビンフッド・クリプトと提携したと発表した。これにより、同社のブロックチェーンを統合し、ユーザーがトークン化株式を取引できるようにする。
分散型取引所の1インチも水曜日、ロビンフッド・チェーンをサポートする最初の主要スワッププラットフォームのひとつになると明らかにした。
ロビンフッドは、株式、暗号資産、そしてデリバティブの境界をさらに曖昧にしようとしている。狙うのは、単なる証券アプリから、オンチェーン金融の入口へと変貌することだ。
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